電車の中で安部公房さんの第四間氷期を読む。
音楽はボリス・ヴィアンのトランペット。
なぜかすらすらと手が進む。面白い。掛け値なし。
また同時に吉田戦車さんの「伝染るんです。」を読み返している。
小学校からの僕のバイブル。
何故、この様な発想が生まれるのかわからない。
以前、大学で隣の席に座っている男の子が、
漫画好き?って訊いてきたので、大好き。
って答えて、君はどんな漫画読むんだい、って聞き返したら、
ナルトだって言われた。ほぉ。それはすごい。
雑誌で言うとどんなの読むんだい、って訊いたらジャンプだって答えた。
なるほど、やはり頂上は頂上なのか。
僕はガロとかアフタヌーンとかビームとかばっかり読んでるからなあ。
ジャンプは中学で卒業したよ。って言ったら、
それはダメだよ、ジャンプ読まなきゃ。って言われたんだけど、
彼はガロやアフタヌーンやコミックビームを知らなかった。
様々な音楽を聴きまくって、心酔してもなお結局ビーズが最高だ。
という人がいたらそれは最高にカッコいいが、
たかが知れいている音楽しか聴いていなくて、結局ビーズが最高だ。
と言われてもまったく説得力がないのと一緒で、
彼もまったくそれと同じことだ。
大学でできた友達らしい友達はまだひとりもいないが、
彼ならなんとかやっていけそうだ、と思っていたのに、
急に冷めてきた。泣きたくなってきた。
寒いので長袖を着ようと思ってタンスをあけたら、
まともな長袖は3枚しかなかった。
一枚はあのこが持っている。何故か返してくれない。
ああそうか、僕の残り香を嗅いでいるんだな、この変態め。
ごめんなさいごめんなさい。うそです。ゆるして。おやすみ。