幻燈日記帳

認める・認めない

ワルツ



 こないだ神保町で恋人と逢う約束をしていて、ユニオンを覗いたら、エンケンボックスの第二弾が置かれていた。すっかり忘れていた。でも今月の給料26400円!卒業制作は順調とは言い難いけどもね、なんとかなっりそうです。だからお金がないのは仕方がないです。
 エンケンボックス、1977-1986というまさに一番気になるところなんです。僕の聴く音楽は母親からの影響が強くて、そのひとつに遠藤賢司さんもあるのです。YMOがとっかかりで母のレコード棚をひっくり返すようになって、10歳の僕でも意味が解らなかったのが遠藤賢司さんの「宇宙防衛軍」だった。アニメのサントラかと思ったら「そうではない」とのことで、「じゃあどういうのなのかしら」と訊ねた記憶はあるが、返事は覚えていない。恐らく母にも説明出来なかったのだろう。僕にも説明出来ない。うろ覚えだが、マリアがお通と不仲、というのは説明出来る。「通好みロック」には衝撃を受けた。セリフも当時の僕には新鮮なもので、しかもすごいことを言っている気がした。当然「森羅万象素直な興味を持つ事が通の道への近道なのです」というそのセリフはまだ僕のなかで生きていて、なおかつ、身にしみている。
 で、その宇宙防衛軍のジャケットの中にサンリオのハンカチが入っていて、そこにエンケンさんのサインが入っていた。詳しい事を聞いてみると、当時エンケンさんはワルツというお店をやっていて、そこでもらったサインで(中心に通という文字があって、そこから蔓のようなものがたくさん生えていて、「愛してるよショーイ(ワッショイの意味だそうだ)」)、そこでやったライブを良く観た、と言っていた。そのワルツであがた森魚さんがやってたヴァージンVSもよく観ていた、とも言っていた。母の思い出話は面白いものが多く、本人は思い出したくない、といってなかなか話してくれないが、酒に酔うとぼろぼろその手の話が出てくる。当時を知りたくても知れない僕として、嬉しい話しだ。
 だけれども、このボックス、母親がスポンサーにならないものか、と、こんなもんでてるよ!とチラシを投げつけたのだが、見事にスルーされた。お金を貯めて、残っていたら絶対に買おう…