幻燈日記帳

認める・認めない

紳士淑女



10日
一日中音楽を聴いていた気がする。
(((さらうんど)))がとてもいい。
「冬の刹那」も「タイムリープでつかまえて」も好きだけど、
「Gauge Song」がいまの気分にぴったりハマった。
そろそろ曲を書かなければ、となってギターを持つ。
1時間くらいクソみたいな曲しか出来なくて、
ほらやっぱり「ストーリー」までの才能だったわけですよ〜
なんて思っていたのだけど、ふっと頭のコードとメロディの動きが見えて、
そこからじゃあこうやってこうやったら、
ここでこうして、リズムの感じはこうしてああして、
なんてやって土台が作れた。割といい曲。
いや、作ってるときにずっとにやにやしてしまうくらいの曲でした。
これにいい詩を乗せないといけないというプレッシャーがのしかかります。
23時くらいに眠った気がする。


11日
こうの史代さんの原画展を見に調布へ行った。
電車に乗っていて目を閉じて、目を開いたら、
目の前に私の大嫌いなツタンカーメンのポスターが、
8枚も貼ってあって死ぬかと思った。
いろいろ複雑な思いをしながらこうの史代さんの原画展を見た。
その日は3月11日。1年前を思い出す。
yes,mama ok?のライブのリハーサルが入っていて、
ちょっと早めに行って新宿で遊んでからリハ、と思っていたのだけど、
三田線白山駅で定刻通りに駅がホームについてドアが開いてから揺れだした。
そこから3時間くらいかけて家に向かって歩いて、
帰ってきてからいろいろなニュースを見た。
まだまだ消化しきれていない。
いろいろ考える頃はあってもいろいろ追いつかない。
調布まで行ったので恋人の家(実家)にお邪魔した。
おみやげでとらやの羊羹を買って持って行った。
なんだか少しおとなみたい、だなんて考えてるうちはまだまだ子供なんだろう。


12日
そのまま熊谷家に泊まって耕自くんと10年分くらい桃鉄やった。
久しぶりに桃鉄やったけど最高に楽しい。なんだろう、この感じは。
その後吉祥寺に出てレコ屋、楽器屋を回った。
ユニオンで空気公団の「呼び声」初回を割と安く買えた。うれしい。
家に帰って10日に作った曲を詰めて行く。
10日の作曲過程を全部録音していたので、
11日、12日とそれを全部聞き返していた。
すると思わぬ発見もあるものでこのメロディ、このコード、
なんていうのがあるのでそれらを拾ってまた選択。
10日のよりもいいものに仕上がった。


13日
朝起きて、ごはん食べようと思って居たら、
「台所掃除するから待ってなさい」と母に言われ、
部屋のソファでぽろんぽろんやっていたのだけど、
家に入れていた老犬(ヨーゼフ/がん患者)も台所でどろんと眠っていて、
掃除機かけるからどいてねーと母が言ったら急にばっと立って動き出して、
3回くらい鳴いてそのまま死んでしまった。
いろいろ書きたかったことあったんだけどうまく書けないもんです。
ヨーゼフが死んだとたん、ミィちゃんは、
「おじちゃん死んじゃったんなら遊ぼう遊ぼうよー」
とでも言いたいかのように椅子の周りをぐるぐる回ったりしていた。
ヨーゼフが生きていた頃は段ボールの中でじっとしていたのに…!
猫というのは薄情なものである。
夜はバイトに出た。なんだかちょっとしたことで泣いてしまいそうになる。
帰ってきたら恋人がヨーゼフに花をたむけに来てくれた。
ごはんを食べて12時くらいに恋人を車で送って行った。
2時前くらいに家に帰ってきて、2時過ぎには布団に入っていたんだけど、
なんだかどうにもこうにも落ち着かない。
メールも返信出さずに眠ろうとするんだけどなかなか眠れなかった。


14日
ヨーゼフは大好きだった冷凍庫の上に安置されていた。
(父がバブルの頃に買ったもので、
釣り好きなので大きな氷がいくつも入っている。
そこにのぼると家族の団らんが見渡せる仕組みになっていた)
いろんな人が花をもってきてくれたのできれいだし、
ヨーゼフの死に顔も穏やかなものだった。
1時にはペットの葬儀会社の人が来て段ボールの棺に納まった。
いつもふんふん言っていたゆきちゃん(犬)も、
ヨーゼフが死んだとたんにふんふん言わなくなった。
お別れはいつだってさみしいものです。
玄関に毛布とかを敷いて、寒い間はそこで過ごさせよう、
なんて話していたので、いなくなってしまうと毛布もペットシーツもないので、
玄関がとにかく広く感じる。とてもさみしいものです。