幻燈日記帳

認める・認めない

1987



(昨日の日記です)
ゼキさん(映像ディレクターの大関泰幸さん)と逢って編集された映像を受け取る。
映像の受け取りなんてこのご時世、ファイル便とかでいいじゃないの、
と思われるだろう。3.2GBの映像ファイルだ。
賢者の方々ならなんとか出来るのかもしれないが、
私は迫りくる提出期限を前にそれしか思いつかなかったのだ。
ゼキさんと代々木よりの新宿、もしあなたがバンドマンなら、
ミュージアムのすぐそばのうどん屋」と言えばわかってくれるだろう。
昔はメニューもさがってなくて入り辛い雰囲気だったけど、
ランチの時間帯も相まってか、お店は繁盛していた。
ゼキさんの頼んだうどんは何故かとんでもない大盛りになっていて、
「サービスです」「…手元がくるっちゃって!」と店員さんに言われていた。
うどんを食べ終え、喫茶店でデータの受け渡しをする。
お互いの近況報告をして、確保していた「菫画報」の3巻を渡した。
ゼキさんと別れて適当な電気屋で適当な生DVDを探すも、
バルクばっかりで1枚欲しいだけなのに!とハンケチを噛んだ。
ワゴンの中で無造作に置かれたUSBと目が合った。8GBで550円。
それならこれを選ぼう、とUSBを買って大江戸線に乗り換え、納品先へといそぐ。
車内でUSBにデータを移し替える。昔は壁紙がボウイのヒーローズだったのだが、
改宗して今では大槍葦人さんのイラストを壁紙にしている。
「大槍さんならオッケー。しかもQuartettの頃の絵だし」と言い聞かせていたが、
人の目が気になる自意識に苛まれ、ファインダのウィンドウを大きく開いて誤摩化した。
550円のUSBなんて買うんじゃなかった、と後悔するには時間はかからなかった。
残り時間の目安に「あと10分」と出た。あと10分かかるんだったら、
このPCを開きながら半蔵門線に乗り換えなければならない。
私のこの見た目でMacBook半開きで移動するのは十二分にサッドモンスターだし、
格好のえじきになるんじゃないか、と思いながらエスカレーターを昇った。
羞恥心をなんとかかわして無事にUSBへ転送も終わった。
駅で降りてスムースにブツの受け渡し。
(この映像がなににどう使われるかは後日お伝えします)
再び地下鉄に乗り込み、時計をみるともう4時前。
パーネル・ホール読んでる場合じゃねえ、と文庫を膝において眠った。
駅に着いたのが4時40分くらいだったので、
ニコンモンスターエナジー買ってバイト先の書店へ。
久しぶりなので時間の経過が身体に馴染まない。
給料日と新刊発売日が重なったので5時から11時まで、ずっと忙しかった。
帰り道は昨日作ったばかりの曲を聞き返す。
いい曲かけたのでほくほく顔をしていたことだろう。
この曲にどんな詩を乗せればいいのか、なんて考えた。
家に着いてぼーっとしていたら2時になっていて驚いた。