幻燈日記帳

認める・認めない

ロードショーの追撃



スカートは現在新しい(ミニ)アルバムを制作中です。
コアファンにはおなじみの"コミティアシリーズ"で、
個人で録音したものをバンドでいい演奏でいい音で、を個人的な目標として、
今後のスカートの態度を示せるような録音物にしたい、と思って制作に望んでいます。
ここからは日記に戻ります。口調を元に戻しましょう。
土曜日の1時集合だというのに吉祥寺にあるスタジオ、GOK SOUNDには、
エンジニアの近藤さんと僕と雑用をお願いするために呼んだ恋人がいるだけだった。
早速構成表のコピーなどパシリに恋人をやってしまって、
近藤さんとその構成表をもとにこれこれこういう曲です、なんて準備を進めていった。
大遅刻もなく、セッティングを進めていく。
決して大きいスタジオではないため、近藤さんがひとりで準備をしていく。
雑談が整い始めた頃、バンドは肩ならしで演奏を始めた。
肩ならしが終わった頃には録音の準備も終わり、テープが回りだした。
さて、スカートがいままでリリースしたレコードは予算の都合もあり、
ホームメイドの感覚というのが常にありました。
でも僕はそれを愛していましたし、これから先も好きなものだと思います。
少し状況を変えたい、という気持ちもあったのか、
レコーディングを敢えてこれまでお願いしていた馬場ちゃんではなく、
好きなレコードの音を録音したエンジニアにお願いして録音をすることになったのです。
近藤さんは古くはカーネーションのデビュー曲や、
P-MODELなどのレコーディングをした人で、
一方的な付き合いとしては昆虫キッズ"text"のエンジニアも近藤さんだったし、
カメ万のファーストライヴのPAも近藤さんだったり、
バウスでスコット・ウォーカーの映画を見たらたまたま居たり、
なにかと縁のある方でした。
2011年にリリースされたカーネーションの"UTOPIA"を自室のオーディオで再生したとき、
部屋の空気が一瞬で変わったことを良く覚えています。
いつかはお願いしてみたい、と思っていたけれど、きっと今回だ、
と感じたのは「さかさまとガラクタ」という曲が出来た時でした…
でもまわりだしたテープが最初に録音したのは「サイダーの庭」という曲だった。
その日は比較的順調で5曲を一気に録音。
終電ギリギリに解散、翌日に向けてよく眠ったのだった。
次の日も集合は一時。ぽつぽつとメンバーがやってきて、
昨日とは違う部屋をコンソールルームとするため、
ミキサーを立ち上げなおすという作業が加わったので、
かなりの時間のロスがあったのもあったし、
曲者が翌日3曲に残ってしまった感じもあって、録音は少々難産。
それでも佐久間さんはほぼ毎回ワンテイクでオーケーをたたき出す。
そのドラムを元に他の楽器を録音しなおしたりした。
ギターも今回はクリーントーンが多く、
オーバードライブを踏んだ曲は2曲だけだ。
録音したものをチェックするたびにすばらしい音質で録音されたことがわかる。
まだヴォーカルやダビングは残っているけれども、
このベーシックがあれば、すべての作業は順調にいくのでは、なんて思ってしまう。
2日目は終電の時間を超えて作業をしていたため、
優介と佐久間さんがうちに遊びにきた。
みんなはタクシーで家に向かったけれど、僕は自転車で来たので、
(GOK SOUNDから我が家までは10分ぐらいしかかからないのです)
寒空のもと自転車を漕いで帰っていたら、
暗い道の自販機の前をたまたま友人のミュージシャンと遭遇。
妙な偶然もあるんだな、多分いいアルバムになります。
家につくと同居人がヴァーチャルボーイを知人から借りたそうで、
堪能したりしたが(特に優介はマリオテニスをいたく気に入っていた)、
桃鉄を10年間やったら朝がきてしまい解散。
あと10年はやりたかったな、と口々に漏らしていた。
最近レコーディングで気が張っていたのでやっと元に戻った感じもあるのですが、
翌週にはヴォーカル録り、ダビング等作業はまだあります。
今月中に完成出来たらいいな。
今日は原稿を書いて、もう布団に入っている。
枕元に未読だった漫画が数冊積み上げてある。
夜は聴こえるか聴こえないかくらいの音で音楽を聴くのが好きなんだけど、
それよりかは大きい音でSKETCH SHOWの"LOOPHOLE"というアルバムを暖めた聴いています。