幻燈日記帳

認める・認めない

マイ・ファースト・ボーイ・フレンド



たまりにたまった洗濯物をあらって清々した気持ちになるのはいいのだが、
それを乾かし、それを畳み、それをしまわなければならない。人類は不幸だ。
紙の本は電子書籍に替わり、録音物はレコード、CDを経て配信になってしまった。
どんどん便利になる世の中、傘と洗濯物はなかなか進歩してくれない。
そしてこんなことを言い出せるぐらい私は贅沢に溺れてしまっているのだ。
第一陣は干せたのだが第二陣はハンガーの数の問題から、
歩いて1分のコインランドリーの乾燥機にぶち込まなければならない。
部屋から柳沼行さんの「ふたつのスピカ」を数巻つまんで外に出る。
梅雨明けはめでたいが、どこかどんよりとした雲だ。
いつへそを曲げてしまってもおかしくはないだろう。
すべての洗濯物を乾燥機にいれ、100円を4枚投入。
40分乾燥機に張り付いて「ふたつのスピカ」を読んだ。
高校生のとき、4巻出たあたりで「なんていいタイトルなんだ!」と購入して以来、
大ファンの作品なのだけれども、完結してから読み返していなかった。
とりわけ10代の頃、もっと言うなら高校生の頃は、
これと菫画報と神戸在住が心の支えのような部分が少なからずあった。
久しぶりに読み返すと、とても心地がいい。
大ゴマってたぶん難しくって、作為的になりすぎる部分があるんだけど、
登場人物の感情とちゃんとマッチしているように思えるので、
今読んでもあまり気にならなかった。
このあと10巻ぐらいあるけど、話の筋は覚えているので読み進めるのが少し怖い。


LilmagにツチカさんのTシャツを追加納品。
(Mサイズは一日でなくなってしまったそうです。
http://lilmag.org/ こちらから買えます。
細身のサイズ感なので気をつけてくださいね。
Sサイズでちょうどいい友人がMでぴったりだったりしました。
XSが全然売れてないという報告もありました。立ち上がれ女子!!)
世間話もそこそこに私は渋谷へ移動。
Hi-Fi Record Storeに顔を出した。
レコを掘りつつ松永さんに近況報告。
タワーレコードムッシュレモンa.k.a.佐藤望Prod.による、
婦人倶楽部のCDをゲットしてBYGへ向かう。
なんだかんだではじめてくるBYG。
地下に潜ると既に演奏ははじまっていた。
とにかく大勢の人、人、人!
カメラ=万年筆の演奏はとてもよかった。
"グッバイ・イースター"という曲を、
佐藤優介によるヴォーカルで聴けたのがうれしい。
最後は初期の名曲"ゴト"のピアノヴァージョンで〆。
いいステージだった。
コンスパも数曲見たのだが、このぎゅうぎゅうさで、
XXLの人間がここに居てはいけない、というスイッチが急にはいってしまい、
居ても立ってもいられず電話があったふりをしてそのまま出てしまった。ああ。
なんとも言えない虚脱感の中、
ちょうど友人が車に乗せてくれるという奇跡にありつきお言葉に甘えることに。
互いの近況を話し、音楽についてどう思っているかなんて話も出来たのが楽しかった。
あっという間に吉祥寺の駅についてしまい、
近いうちにごはんでも行こうよ、といって別れた。
自転車は風もあり心地よく、
先日作った曲にどんな詩を乗せるかということばかり考えていた。
いったいどんな風景が似合うんだろうか。
メッセージ性とは違う意味での歌いたいことは少しずつ見えてきた。
この風景をどう切り取り、どうメロディに落とせばいいのだろう。
迷いながらも、なんとか、どうにか、いい曲になってほしい。