幻燈日記帳

認める・認めない

女子女子カラス女子カラス



無職で迎える27歳の夏。
選ばれた人間、選んだ人間にしかなし得ない、
27歳の夏に無職という現状は、
今後の人生に於いて重要な意味を持つだろうし、
その重要な意味なんざ知りたくない訳だこっちは。


憂鬱だ。
あんなに大好きな飯が目の前にあるのに食が進まない。夏だ。
無理矢理詰め込んで遠くの一点をただ眺める。
ああ、私は虚空を眺めているのか、それともそれが夏なのだろうか。
そのタイミングでなりすレコード平澤さん(チャンヒラ)から電話が。
電話がかかってくるだけで一点をただ眺めるという行為が終わった。
そうだ、出かけようじゃないか。
憂鬱の形をした錨を引き上げなければならない。
友に会える恵比寿へ私は駆け出すのだ!
その為にはパンツ一丁は不利だ、
冷房の効いた部屋に戻り冷静になった。
昨日勢いで書き上げた曲がまだ完成していないのだ。
それを仕上げてからでかけよう、と仕上げ終わったらすっかり夕方。
気持ちだけは恵比寿に向かっていたのでとりあえず電車には乗った。
セミが鳴いている。
(無職で迎える27歳の夏。
選ばれた人間、選んだ人間にしかなし得ない、
27歳の夏に無職という現状は、
今後の人生に於いて重要な意味を持つだろうし、
その重要な意味なんざ知りたくない訳だこっちは。)
私は新宿まで出てレコード屋をのぞいて引き返してしまった。
帰りの電車の車窓に映った私は2007年の私の亡霊か?
それとも2015年の私の亡霊なのか。
読んでいる漫画や小説の登場人物がだんだん自分より年下だと気づく。
細胞レベルで考えると数年経てば全く別の人間だ、と聞いた事がある。
「私を私足らしめるものは何だったんだろうな?」
亡霊は何も答えてくれはしないのであ〜る。
新曲はどれもいい感じだからどうでもいいのであ〜る。