幻燈日記帳

認める・認めない

グレートブリテンバカ一代

気がついたら眠っていた。
靴下も履いたままだった。
幸いジーンズはぬいでいたのだけど、
やはりこの体型でこの代謝なので風呂に入らないで眠って起きると、
不快感がとんでもないのだ。歯も磨いてねえよ。
すべてを振り払う為に風呂に入る。
なんだかいつもより涼しくてこのまま夏よ去ってしまえ、
このまま夏が去ってくれたら僕は、僕は、僕は…
と唱えていたらシャンプーが完全に虫の息だった。
今日は何をやってもうまくいかねえな。


風呂からあがり歯を磨き今日1日どうしたもんか、と首をひねる。
レコードを聞きたいのだが雑務が山積みだった。
何をやってもうまくいかないとわかっていながらも、
なにからやるべきか考えていろいろやっつける。
まず手を付けたのは食事の支度だった。
SEIYUにいって鶏のもも肉を買ってきて一気に焼き上げた。
そしてそれをたいらげた。完璧だ。
いろいろやっていった中のひとつは、
ゲラーズでドラムを叩く事になったのでそれの構成譜を書くことだった。
その勢いでスタジオに殴り込みをかける。
電話した時間が悪く1時間30分だけスタジオに入った。
むんずとドラムスティックを掴み、
ドラムの音量に負けない音量でゲラーズの楽曲を頭に叩き込んだ。
構成譜と照らし合わせながら必要な指示を書き込んだり、
いくつか受け取ったライヴテイクとスタジオテイクをくらべて、
自分なりの落としどころを見つけたりできていたら僕は今頃、
そこそこ名前の通ったセッションミュージシャンになれていたのかもしれない。
くたびれすぎた身体に効くのは食事だ。
食事は逃避だ。疲れ切った俺を遠くまで導いてくれる。
本日2度目のスーパーにいって半額のステッカーが貼られた品物を探していると、
頭の中で急に「悩み多き若者よ。
なんでもいいから肉とこんにゃくを炒めなさい」という啓示が降りてきた。
私は「仰せのままに!」と半額どころか割引になっていないこんにゃくと、
豚肉をカートに入れた。
家に帰り作ってみると、まずくはないがおいしくないものが出来上がった。
今日は何をやってもうまくいかないんだってば!