幻燈日記帳

認める・認めない

情熱アラカルト



自分の心に錨が下ろされた不安を解こうとするのだけれどもどうにもうまくいかない気がする。少し体を動かしたからといって何かが変わった気はしない。そもそも区営のプールに行ったら貸し切りになっていて入れなかった。ときどき現れる不安にゾワゾワしながらなんとかいろいろやり過ごす。とにかく僕はポップ・シンガーじゃないか、とギターを手に持って自分が書いていない曲を部屋で歌い散らした。好きな歌ばかりだ。朝、散歩していた時に不意に奥田民生さんの「イージュー・ライダー」という曲が頭をよぎる。ずっと明るい曲だと思っていたけど、何か影のようなものを急に感じ取ってしまったのだ。子供の頃から好きな曲だったけど改めて向き合うのは初めてだったのかもしれない。こんな曲だったのか、なんて感動したりした。その流れで小学生の頃や、中学生の頃に好きだった歌を歌っていった。最近はギターもあまり弾いていなかったのですぐに指が硬くなってしまうな。
適当な夕食を作ってごまかす。自転車に乗って吉祥寺へ。渋谷へ。TSUTAYAジャック・タチの「プレイタイム」だけ借りた。川本真琴withゴロニャンずのリハーサル。1年ぐらい前に気持ちが参っていた時によく横浜へゴロニャンずリハーサルに行っていた。電車の中でも何かが不安で、リハーサルやりながらも些細なことが気になったり(一番ヤバかったのはリハーサルやっていた場所の本棚の背表紙を見て「うわー、情報が、情報が、ツライ…」ってなった時だよ)覚えきれていない自分を責めてみたりして休憩になると必ずトイレに駆け込んでいた過去が蘇り、今日のリハーサルも辛いのでは、なんて思っていたのだけれども、「ミュージック・ピンク」という7インチにもなっている曲を演奏している時にとんでもないぐらいの高揚感を味わう。スカートのリハーサルでもここまでいい気分になったるのはそんなにないよ!っていうぐらい楽しかった。なんだったんだろう。音楽って最高じゃん!みたいな感じになった。それ以降、今のところ、胸に巣食っていた不安は現れていない。