幻燈日記帳

認める・認めない

みずうみキッス



深夜の4時になる前に眠ったなら起きるのは12時近くと相場は決まっているのだが、目を覚ましたら周りが朝じゃない。時計を見たら17時だった。昼前にヤマトに起こされてそのまま眠ったけど、まさか合計13時間も眠るとは。トリプルファイヤーの新譜に入っていた「今日は寝るのが一番良かった」という曲について吉田と話していた時、その場に居合わせたスタッフの人が「わかるなー、12時とかに目が覚めて落ち込むよね」と言ったら吉田が「いや、夕方の5時です」と返したのでその話を聞きながら(僕は17時起きたことはないな〜)とある種の安心を確保していたのだが、その安心とも今日限りおさらばだ。焦燥感に駆られながらも空腹を満たすための雑な食事を摂り、映画を見た。映画を見終わり、TSUTAYAの袋に戻そうとした時、明日だと思っていた返却期限が今日だったと気づいてしまう。仕方がない、と外套に袖を通し、岡村靖幸さんの「幸福」をムンズとつかみ、車に乗り込む。シングルの時に気づかなかったのだけど「ラブ・メッセージ」最高ですね。サビのリフレイン以外はコード進行同じなのに違うメロディ。シングルというキャッチーさに目を奪われて気が付かなかったけど、新曲たちに挟まれて改めてこの曲の凄さを実感できた。
土曜日の新宿はすごい人ごみ。車を停め、いくつかの吐瀉物を華麗に飛び越え、返却ポストにぶち込みそのまま帰路につく。部屋に帰ってCDを棚に戻そうとしたら布団の中で恋人が置きっぱなしにしてあった湯たんぽ代わりのプラスチックの水筒を踏んづけてしまったらしく、それがまっぷたつに割れてしまった。布団はあっという間に水浸し。敷布団がやられ、掛け布団もやられ、畳もやややられ、思わず大声が出そうになる。誰が悪いわけでもないからさらにたちが悪い。ともかく布団は乾かさないと、とベランダに出る。サンダルを履く。サンダルの中に水が溜まっている。驚く。弾みで物干し竿が落ちる。隣家の犬が鳴く。誰も悪くない、誰も悪くない、誰も悪くないんだ。そう言い聞かせながら私は追い焚きの温度設定をそっと44℃に変更して「ちくしょう!こんな熱湯に誰が浸かるんだ!」とドバドバ水を入れて薄める、という謎のストレス解消法を実践するのであった。