幻燈日記帳

認める・認めない

Picnic Goes On



レコ発ツアー。大阪→名古屋の遠征から帰ってくると玄関は段ボールジャングル。7/4に迫った退去日に向けて各住人がしのぎを削り誰が一番美しく引っ越すかを競い合っているのだ。僕はといえばたかだか1ブロック先の引っ越しなので美しさは捨てて、地道にゆっくり引っ越す道を選んだ。階段をのぼると同居人Iくんの部屋から「汗染みは淡いブルース」が聴こえてきた。「ふふふ」と心で思いながら特に変わらない汚い部屋の窓を開け、空気を入れ替える。何かレコードでもかけようか、とターンテーブルに目をやるとそこにはキリンジのレコードが座っていた。シェアハウスの解消は惜しいぐらいの時期にやるのがちょうどいいのかもしれないけど、やはり少しさみしいものです。
レコ発の時に頂いた花は少しずつ持って帰り、IKEAでどデカい花瓶まで買って盛大に生けていたのだけどあまり長持ちしないでどんどんしおれていってしまった。花をもらうのは本当にうれしい。玄関にが華やかになるだけではないんだよ。でもそれが枯れていくのを見るのは、すこしさみしい。そして枯れてしまった花を捨てるのは、もうすこしさみしい。たくさんの花を捨てていた時に一輪だけ元気な花があったので同居人Iくんが飲み干した瓶ビールに水を汲んで挿していたのだけど、遠征から帰るとその花もすっかりしおれてしまっていた。さみしい、さみしい、さみしい。
一日をたっぷり眠って疲れを癒やす。「忙しくて逆に眠れないんですよぉ〜」とか言っていた頃が既に大昔のようで懐かしい。ぐっすり8時間は寝た。起きると雨の音がしていて、だんだんと強くなったり弱くなったり。夜はリハーサルがあるのでそれまで新居に向かってバルサンを炊いたり、換気をしたり、多少の家具を運び入れるべきかどうか迷って結局メインで使っていないギターやベース、キーボードを運んでいった。先に置いてあったソファに座って前の部屋ではほとんど弾いていなかったガットギターを爪弾いたりした。近所のホームセンターに向かい、脱衣所の足ふきマット、風呂場のイスなどを買い揃えていく。3年と少し暮らしたこの一軒家ががらんどうになったとき、ぼくはなにか新しいメロディを浮かべるのだろうか。これからどうなるかわからないけどとりあえず借りた新しい部屋で、ぼくはなんのレコードを最初に聴くことになるのだろうか。
思いを馳せ疲れて電車に乗り込んだ。夜はyes, mama ok?のリハーサルだった。前回同様いろんな事を試しながらリハーサルが進んだのでかなりバンド感が強い濃密なリハーサルとなった。6/25の本番も楽しみ。