幻燈日記帳

認める・認めない

僕の4つのかわいい花瓶



なんだかんだ在宅稼業だから「暑い!」と思ったらエアコンの電源を入れてしまうし、そうなったらもうほぼ一日ついているのだ。シェアハウスを出た最初の夏。マンションの廊下からはかつて暮らしたシェアハウスが見える。電気代は大丈夫だろうか。きっと大丈夫ではない。


8月最初の週の予定が自分でも悲しくなるぐらい真っ白で、苦し紛れにリズムボックスをヤフオクで落札。安い値段で購入できたが本当に数種類のリズムしかでない。以前、引っ越しを手伝ってもらった友人にコロンビアのエレピを見て「でかい。そして重いね。で、これはエレピの音しかでないんでしょ?」と言われたのが自分になかった考え方だったので衝撃だったのだけどその考え方を一度知ってしまうとただチャカポコ言わせるだけの機械、それも音色自体は打ち込めばどうにでもなるものに安いとは言え送料入れたら1万近く払った価値を見いだせるだろうか、と及び腰だったのだけど、アンプにつないでボタンを押せばそんな考え吹っ飛んでしまった。最高!最高!来世はミラーボールになって一生踊り続けたいね!


真っ白だったスケジュールが急に埋まりだした。夏の真ん中ぐらいからまた新しいことを始めるのでそれの準備もしていると僕のスケジュール帳はただ「その日に予定がないだけ」であってやらなければならないことは山積みだ、という事を隠してしまっていた。それでもスケジュール帳に今夜何時からなになにとかいつまでにこれを仕上げる、とかないだけで気は楽なもんで、iPhone片手に都会をふらふらするに至るのであった。六本木でコロン捕まえました。(ロコンでした。8/5訂正)


サニーデイ・サービスの"DANCE TO YOU"、LPの予約を忘れていたことに気づいて新宿の街を彷徨う。タワレコない。ユニオンの地下ない。iPhoneでFLEAK RECORDS、JETSETなど主な通販サイトを狙うもすべて撃沈。ユニオンの人にどこか入荷数の多かった店舗とかってわかります…?と訊くも「今回は全体的に枚数が少なかったんですよ」と言われしょげながらも諦めずユニオンの在庫検索していたら昭和歌謡館に入荷があったことが判明。歩けば2分の距離から電話をかけると在庫あり。なぜ昭和歌謡館に!?という事は頭の隅においやってとてもいい顔で購入。中古も物色するとジャケ痛みありパンティ痛みありでRCの"EPLP2"がとても安く出ていたので購入。RCを好きになってレコード屋に出入りするようになった中学生の頃にはオリジナルのシングルも安くないしEPLPはもっと安くない、という状況だったのでうれしいのだけど手に入ってしまった、という気持ちもなくはない。


深夜に急遽エンジニアの葛西さんと打ち合わせ。夜中にスタジオにレコード数枚持って行ってそれを爆音で聴いた。家でも「なにこれクッソいい音なんだけど」と思ったレコードを持って行ったら想像以上にいい音で葛西さんとブチあがる。帰り道はiPhoneで音楽は聴かないで高浜寛さんの「ニュクスの角灯」2巻を少しずつ読み進めた。そうなると今度は読み進めるのも勿体無くてその日に買ったキリンジのニューアルバムに切り替える。すごい手触り!一曲目「The Great Journey」に度肝を抜かれる!曲の終盤で囁かれる「人工知能と交わすピロートーク」でハッとする。どこも満室なのは本来だったら二人で入るラヴホテルに一人で入る例が増え、需要も増え、(二人きりになりたい恋人たちのための)ラヴホテルの数が追いつかない近未来に想いを馳せた。女子会プランとかやってる場合じゃないぞ!「恋の気配」「あの娘のバースデイ」にはむちゃくちゃハマってしまった。特に「あの娘のバースデイ」の歌詞と曲の余白の取り方がヤバくて。間奏の後に「あんな奴等と つきあうなんて そのピアスだって らしくない」とあの声で歌われると、整理されてなかった状況のなか、歌詞で言うならたったの2行の情報が頭の中に流れてくるだけで鳥肌がたった。「チョコレート一片」の「かけ〜」の部分での転調で涙がこぼれてしまった。


いつもの駅に終電で着いた。新しく買った自転車は、サドルが硬い。ハンドルを切っての角を曲がれない気がしたんだ。