幻燈日記帳

認める・認めない

ロード



年が明けた自覚のないまま日々が過ぎる。最初に春の海を聴いたのはタイムフリーで聞いた伊集院さんのラジオでだった。
年が明けるなり様々なもろもろで日記も書いていなかった。ここ数週間はひたすら曲を書いている。こんなにがむしゃらにギターを持ったりピアノに向かう日々はいつぶりだろうか。


外出するのは仕事か近所のスーパーに行く時ばかり。北向きの駐車場には雪が大いに残り、いまだに溶ける様子もない。ある日、鼎談の仕事があり(近日公開)、その帰りに千駄木の青柳くんのところで整体を受けた。その帰り道、帰り道を工夫して無理やり御茶ノ水のユニオンに寄ることにした。久しぶりの店内で探していたハイハワの8cmを見つけたりしたとき、店内の看板が目に入った。5枚買うと10%やすくなるよというので次々にCDやレコードを選んで帰るつもりが4枚目を選んだあたりで調子が悪くなった。どれだけレコードを見てもCDを見ても目が滑る。心がどこかに行ってしまったようだ。不安な気持ちを抱えて丁寧に今の自分に必要な音楽は何かと問えば問うほどみえなくなっていく。レコードやCDを買うときに呼ばれる感覚というのがあると思う。目が合うと言えばいいのか。そういう予感が一切ない、いまここにある全てのCDやレコードからフラれてしまったような気持ちで店内をうろついた。最近人に勧められたCDやレコードの在庫はあるか、とか見ていくうちにみるみるゲージが削れていく。それで在庫があればいいのに全てないんだ!憔悴しきった顔で店内をやみくもに回るだけのマシーンと化した私にどんな気持ちで音楽が聴けるというのだ!(奇しくもそのときパリス・シスターズが流れていた)そのとき鼎談相手の方が名前を出したレコードを思い出した。普段聴かないフュージョンのCD。どんな気持ちで聞けばいいのかもわからなかったけどこれで決着がついたよ、ありがとうYさん!と心の中で強く思った。悲しい気持ちが晴れて救われたような気持ちになった。最終的にはとてもいい気分で店を出れた気がする。