幻燈日記帳

認める・認めない

学生2枚 クマ1枚

22日

目が覚めたら1時を過ぎていた。よく眠った。作詞をするつもりだった。風呂にも入るつもりだった。ゲームもやりたかった。よくよく考えたら洗濯物が溜まっていた。それらを丁寧にこなしていった。どんなに身近なことでも丁寧に、だ。窓の外をみてごらん、すっかり暗くなってらあ。こりゃだめ、もうなにもかも終わり。まだ一言も当ててない新曲の歌い出しのメロディと「なにもかも終わり」がぴったりとハマった。歌い出しで「なにもかも終わり」と高らかに諦めた彼女がどうやってまた一歩を踏み出したのか。頭の中のそれを浚っていくけど絶対に最善の策ではない、と気がついた。そうです。夜になっていた。喫茶店に行って〜とか考えていたけどすべて諦める。かばんなんて持たない。丸腰で吉祥寺に出て本屋を覗く。収穫なし。HMVで新入荷さくさく見ていたら加納エミリさんの「ごめんね」がかかっていて趣味のいいレコード屋だ…と思っていたらインストアイベントが終わった直後だったらしく、なりすの平澤さんも居た。まだ買っていなかった7インチを買って、チェキまで撮ってもらった。自分の手元に残るチェキを撮ったのは初めてかもしれない。その後ユニオンに流れ着いたらすでに閉店時間が近くて煽られるような気持ちで新入荷を見ていった。持っていなかったジョージ・ラッセルの80年のアルバムなどを買った。

23日

ドアをあけたら春だった。コートなんてすぐ脱いだ。セーターだけ着て自転車に飛び乗る。へいへい、どうしたみんな。ダウンなんて着ちゃって。それより春だよ、春がきたんだよ。暖かい陽射しじゃないか。はっはっはっ!自転車を適当に走らせて少し遠いうどん屋で昼食を摂る。土曜日ということもあってかお客さんがひっきりなしで、フリーのミュージシャンとしては馴染みのない光景で、やはり落ち着かなかった。食事を摂り終え、また自転車に。家の近所のファミリーレストランで詩を書くためにあすなひろしさんや衿沢世衣子さんの漫画を読み返した。たまたま友人と遭遇したり、結局長い時間ファミレスに居たけれどあと数行を残し退散。店の外に出るとすっかり寒い。どうして僕はコートを着ていないんだっけ?

24日

方南町にお笑いのライヴを見に行った。街裏ぴんくさん、ママタルト、キュウ、かが屋、じぐざぐなど見たかった人たちがいっぺんに見れて最高だった。キュウの最終的にふたりとも内容のあることを何も言わなくなるという展開がアツかった。部屋に帰っておととい買ったジョージ・ラッセルのレコードを聴く。前に買った83年のライヴ盤のときもそう思ったんだけどDCPRGの礎、マイルスとスストの他にもこれがあったのか!という認識を改めて深める。さらに前に買ったMPSだったかから出たレコードは当時さっぱりわからなくて手放してしまったんだけど、全部聞かないとだめだったアーティストだ、と痛感。

読み返したい文庫が部屋から出てこない。それなら、と菫画報に手が伸びたのだが、1巻の背表紙が退色していることに気がついた。当時も退色しているものが多く、きれいな黄色のやつを買った、と思っていたんだけどこの菫画報を買ったのも2003年とかのはずだからもう手元に16年もあるのか、なんて過ぎてしまった時間に思いを馳せる。3話以降のギアの入り方ってなんなんだろう、今読んでもドキドキする。