幻燈日記帳

認める・認めない

冷めない紅茶

明け方、豊田道倫さんから着信があって驚いた。昔買った八木康夫氏が回していたビデオをマスターにした「実験の夜、発見の朝」リリース後のライヴをおさめたCDRのライナーを思い出す。ざっくりした内容を書くと、ある日突然八木さんから着信があることに気づき、かけ直したら八木さんが電話に出て「とても長いこと眠ってしまっていた。豊田くんからの電話がなかったら死んでいたかもね」というものだったと思う。着信で目が覚めたが電話を取りきれなかったのか、それとも取ったのだけど無言だったのか、覚えていないがとにかく僕は豊田さんに電話をかけ直した。しかし応答はなかったように思う。寝ぼけていたから記憶は曖昧だが目を覚ましたら豊田さんから「間違い電話だと思うけど大丈夫?」とメールがあった。事情を説明したら「スカートの新曲、こっちのスーパー玉出でもかかってるよ」と教えてくれた。僕には豊田さんと八木さんにあったみたいなドラマチックなことは起こらなかったけど、と少し笑ってみる。

アラームで目を覚ます。昨日と今朝の熱い余韻の中、ゲームで少し頭を動かして作業部屋で作業。別テイクのスケッチを制作して送信。そのままNICE POP RADIOのリモート収録の準備。前回の配信ライヴからほぼそのままになっていた機材の配線を少しほどいて最適なものにしていった。放送でも告知していた通り、来週は外仕事特集。客演したものや提供した楽曲をかけたのだけど、8年前の音源とか久しぶりに聴くとほんのちょっとだけ照れくさかった。2曲ぶんぐらいもじもじとしていたから少しだけ心配。

スケッチを先方が気に入らなかったらどうしよう、とうじうじしていたが事務所から連絡があり、とてもいい感触だったそうだ。心の底から安心した。安心した途端、なんだか時間の流れがゆったりしたような気がする。ゲームをしていようが曲を作ろうとしていようがなにをしていてもあっという間に終わっていた1日の感覚が、ほんの少しだけ長く感じるのだ。いつもより雑な食事だったというのもあるかもしれない。麻婆春雨とウィンナー茹でただけだったしな。何かの錯覚だとしてもいいのよ。少なくとも4月に入ってしばらくの「あの感じ」ではないのだ。これがいいのかわるいのかわからないからまだ素直に喜べないし、喜ぶにも悲しむにも参照するべきであろう感情が足りなさすぎる。

松永良平さんからbookchallengeなるバトンが回ってきた。「なるべく非マンガで」とのことで「ふふふ」となる。さあどうしよう。