昼寝をして起きたら咽頭に違和感が走った。なにもしていないのに炭酸水飲んで自転車で45分ぐらい走っては眠りこけるだけの毎日。自粛がどうこうってなったときはもうちょっと料理したりしようとしていたけれども、もはや私はそこにはいない。これはその毎日のバツなのかもしれない、と一瞬思ってすぐ(心の中にある)バケツの氷水をかぶった。「ふふふ、私は本当に素晴らしい毎日を過ごしていて、来たるべきの時に備えているだけだよ」と(心の中にあるまたいくつもの)バケツの波紋に対してそう語りかけた。それでも舌の付け根に何かがあるような違和感が一日消えなかった。しかし、次の日起きたらその違和感はいなくなっていた。医者にかかって鼻からカメラまで入れてもらったが異常に大きな扁桃腺、というおなじみの光景が広がっているだけで大きな異常は見られなく、安堵する。自転車を飛ばして移転したふんだりけのカレーをテイクアウトして部屋で昼食を食べていると郵便が届いた。Discogsで注文していた手回しオルガンのLPの再配達を頼んでいた。学生時代に人から勧めてもらって聴いていたもののLPが欲しくなって探したらオランダに在庫があったので注文していたのだ。本体は12€、送料は16€。ワクワクしながら商品を受け取るとそこにはCDサイズの茶封筒があるじゃないか。問い合わせてみると「ごめん、LPとCDの登録間違えちゃった」とのことで気は遠くなったが「いいんだ、こうして聴けるだけでも嬉しいよ。気長に探します」と返信をする。お人好しとは俺のことだよ。
FG-180の弦を張り替える。Twitterに2年ぶりって書いちゃったけど1年半ぐらいでした。「トワイライト」のレコーディングはD-35Eが大活躍して、FGはD-35Eを買う前に録音していた数曲、「トワイライトひとりぼっち」で数曲使った程度に留まってしまったけれども、やっぱりいいギターだな、と改めて思った。このギターは大山でやっているフリーマーケットに祖父と行って800円で買ってもらったギターだ。多くの記憶から季節が欠落してしまっているのだけどなぜかこれは秋だったことを覚えている(気がする)。
小学生の頃、YMOにハマったことを知った父の友人から「パブリック・プレッシャー」と浅川マキさんのベスト盤のテープをもらったことがあった。小学生の頃は「パプリック・プレッシャー」ばかり聴いたけど中学にあがったぐらいで浅川マキのベスト盤もよく聴くようになった。(もしかしたら一緒にもらったんじゃなくて別々にもらったのかもしれない。)その当時、浅川マキさんのCDはほとんど出てない、出ているものも廃盤。中古盤は高価で、レコードも安いのはあまりなく、図書館にあったものを聴いたり、そのテープを聴いたりしていたけど、金のない学生時代には結局オリジナルアルバムは「浅川マキの世界」ぐらいしか手に入れることができなかった。大学生になったときには図書館にダークネスシリーズを入れてもらって図書室で聴いたりしていたから、更にオリジナルアルバムは遠くなってしまうばかりという体たらく。しかし昨年出た松永さんの本を読んで浅川マキさんを改めて聴かなきゃ、という気持ちになり、何枚か買っていって、秋の日が来た、という日、ターンテーブルには手に入れたばかりの「裏窓」が乗っていた。さみしい言葉を彩る強いドラムが私を満たしたとき、今年の秋はきっと本当につらいけどなんとかなるかもしれないよ、なんて思った。