幻燈日記帳

認める・認めない

ポウ主義

6日

 

締め切りを目の前にしてApexが冴え渡りあと一歩でプラチナというところまで来てしまった。運命のいたずらだとおもう。ギターを持つと断片は出てくるようになってスランプのときのギターを持っても頭が働かないあの感じは本当になんだったんだろう、と思う。

 

7日

 

運命の締切の日を迎え、2小節のスケッチが溜まっていくばかり。それぞれ一瞬のいい部分があるのだけど、その先につながらず、どれもうまく発展しそこねている感じがしてなんともじれったい。ギターからコントローラーに持ち替えプラチナランクにあがり、またギターに持ち替え、さらにコントローラーに持ち替え、かが屋のラジオを聴きながら「今日は終わった」と独りごちる。それならば、と吉祥寺にでかけた。夕暮れせまる街を受け、果たして今日の一日はどうだったんだ、と思い悩む。

 

ジュンク堂でルックバックなどを買って、ユニオンで取り置きをお願いしていたCDを受け取った。ビーチ・ボーイズのサンフラワー、サーフズ・アップ期の発掘音源集「フィール・フロウズ」の日本盤だ。以前、フレンズ期、20/20期の蔵出し音源が出たとき、サブスクにしかなかったから今回もないだろ、とか思っていたらなんと出ていたことを慶一さんのフェイスブックの書き込みで知る。それも今月。慌てて盤を探すも日本盤どころか輸入盤すらどこにも売っておらず。(そりゃそうだ、慶一さんの書き込みも「もうどこにもない」という内容だった。)気合で探しているとユニオンのサイトに日本盤がパッケージの角に打痕があるのでちょっとだけ安くなった中古が出ていてなんとか確保できた。大きい出費だけど本当に嬉しい。この時期のビーチ・ボーイズの良さは結構言葉に出来ない。それに向き合いたい。他にも谷口くんがツイッターに「積年の一枚を(手に入れた)」とジョージィ・フェイムの"That's What Friends Are For"の写真をあげていて、「えー、このアルバムそんなにいいんか」と探してみたら、2006年に出た紙ジャケットのボックス・セットが格安で売られていて思わず飛びついた。リリースされた頃は学生で金がなく、しばらくはプレミアさえついてた記憶があったけど、こんな値段になってしまったんだね、と優しく抱き上げた。ユニオンを出たらもうすぐ夜、といった趣。東急の地下で半額のお惣菜をツルッと買い外に出るともうかんぺきな夜がそこにあった。2時間もいなかったのにこうやって時間が過ぎてしまうんだ、ということを改めて実感してしまい、なんだか落ち着かない気持ちになった。

 

8日

 

ロスタイム。しかし曲の作り具合は昨日とほぼ変わらず。ギターを持てば断片できるのに先に進めない。突破口がない感じがしてきて少し落ち込み、Apexも負けまくる。気晴らしに「フィール・フェローズ」を再生してみると、こんなに軽い音だったっけ、って驚く。慣れ親しんだ「サン・フラワー」のCDはなんというかもっと雑味があった気がする。でもやっぱり嬉しい。いい曲ばっかりだぜ。曲はまだ出来ない。

 

作業に戻る前に2枚目の"Surf's Up"のライヴだけでも聴こう……と安易にスキップして聴いたらすごすぎてないちゃった。最近聴いた音楽で一番感動した。鳥肌とかじゃなくて普通にないちゃったよ。

 

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