幻燈日記帳

認める・認めない

あみ進化

某日

リハーサルに入る。ぼっろぼろ。「駆ける」の2Aとか全く覚えてなかった。自分で仕掛けた罠にかかって身動きが取れなくなるみっともなさ。リハーサルの急遽の追加を決定。本番は待ってくれない。

 

某日

恋人がM1の2回戦を見に行くというので車で浅草まで送っていく。おにぎり屋でおにぎりを食べていると調子のいい店員さんが「ふふ、完全に見た目で判断しちゃうんですけど次はどこのお店に行くんですか?」と笑いながら言ってくれた。「もうそういうのはやめにしないか」と口からでかけて、いやいや、ファニーなご挨拶じゃないか、悪気がないのはわかっているんだ、とその言葉を飲み込んで「いや、どこもよるつもりはないですよ」と笑いながら言って店を出た。恋人は5656会館へ、私は車に再び乗り込んだ。この日、私はそのまま東都レコードとか普段あまりいけないレコ屋に行こうと思ったのだ。ところがその日はとうとレコードは休業日。走り出した車は行く宛をなくし、すかっとしない気持ちだけが積もっていく。路肩に車を止めて、どこに行こうか考え、とりあえず御茶ノ水界隈のユニオンでも行こうかな、と車を走らせた。レコード屋を見るのにパーキング・メーターはうってつけの駐車場だ。1時間と時間を決めれば諦めがつく。幸い、神保町のユニオンの近辺はパーキング・メーターがたくさんあり、あたりをつけていたのだが、すべて埋まってしまっていた。ここで別の場所を選んだらもう今日は一日だめに違いない、そう思えてなんだか諦められず、何十分かぐるぐる回ってやっと車は停めることができた。肝心のユニオンは収穫なし。と言っても不思議と目が滑っただけで、本当はきっといいレコードやCDがいくつかあったはずだ。そうしてジャニス2に向かう。はじめて行った。ジャニスの遺伝子を感じて懐かしい気持ちになる。ソフトロックのコーナーに入れられていたイスラエルのCDが妖気を発していたので購入。1時間近くになっていたので車に戻る。するといつもはひどい行列のまる香の列がだいぶすっきりとしていた。おにぎり屋の人の顔が浮かんで消えた。私は車を1mほど動かし、別のパーキング・メーターに停め直し、数分後には釜玉うどんをすすっていたのだ。この日のかしわ天はまた格別なのであった。おにぎり屋の人に対して少しでも気分が悪くなった自分を呪う。その後、駅前の方に車を動かし、またユニオンへ。パソコン音楽クラブとあらきなおみさんの新譜といくつかの中古品を購入。M1の2回戦、後半はだいぶ席が空いて当日券で入れると連絡があったので5656会館に向かった。そのへんのコインパーキングに停めようかな、と思ったのだけど5656会館の軒先に「駐車場 30分300円」と書かれていたので5656会館に停めることにした。車を停め、受付の方に「車を停めたい」と言うと「17時終わっちゃうんだけど…あ、M-1観に来た方?それならいいよ」と停めさせてくれることになった。後で受付の方に直接お金を払うタイプの駐車場だった。検温、手指消毒を済ませ会場に入る。3ブロックだけ見れた。1時間とちょっと経ったぐらいで5656会館を出て、受付の方に駐車場の精算を頼むと1500円だと言われ、顔色ひとつ変えずに「はい!ちょうど……あります!」と言って5656会館を去る。恋人は「去年は行ってないからわからないけど少なくとも2年前は2回戦が一番楽しかった。プロもアマチュアも関係なく楽しめた感じがあったけれど、今年はプロばかりが強くて」と言っていた。

 

某日

仕事が一区切りした!ので積んでいたCDをリッピングしていく。パソコン音楽クラブの新譜をリッピングする際、「さまざまなアーティスト」にチェックが入っていたのでそれを外し、フィーチャリングのある曲のデータを手打ちでひとつひとつ直していく。たとえば「潜水 / パソコン音楽クラブ & 川辺素」となっていたら「潜水 (Vocal. 川辺素) / パソコン音楽クラブ」に変えていく。そういう孤独で虚しい作業をしていた。今回買っていたのに聴けていなかったCDの1枚にザ・サークルのネオンがあった。90年代の再発をCDで持っていたり、レコードでも持っている。大好きなアルバムだったのだけど、近年のCD化でボーナス・トラックが追加されていると知り、手に入れた。リッピングしたデータを聴きながら解説を読んでいると、大好きな「すてきなダンス」の項に「どこまで本気に取り組んだのか疑問が残る」と書いてあって驚く。シタールが調子っぱずれなことを具体例として挙げていたけど、ここまで丁寧に編曲、ミキシングされているのにそう思う人も居るんだなあ、と結構本気でカルチャー・ショックを受けてしまった。「トゥ・ルームス」も「あっけなく終わってしまうのが残念でならない」と書いてあり、僕はあの短さに惹かれていたから余計にカルチャー・ショック。他にも、松永さんがTwitterに書いていた「海や山の神様たち」なんかも買った。若き日の坂本龍一さんと山下達郎さんが参加した1975年のアルバム。これは昔ズーシミも薦めてくれていた気がするけどどうしてか聴かないで今まで来てしまっていたことを後悔するような最高盤でした。

 

坂本龍一/海や山の神様たち -ここでも今でもない話-