幻燈日記帳

認める・認めない

シティ・ポップ彷徨

収録で永田町へ向かう。TOKYO FMで新しくレギュラー番組がはじまるのでその収録。番組のタイトルは「GOODYEAR MUSIC AIRSHIP〜シティポップレディオ〜」。シティ・ポップという言葉には人並み以上に思いがある。『CALL』リリース時の取材で牧村さんに「『CALL』をシティ・ポップって言ってくる人たちが居たらどうする?」と訊ねられてなにも答えられなかったことがあった。

 

“次にスカートがやらなきゃいけないこと” 澤部渡&「生きる伝説」牧村憲一対談 - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

 

その時はヘラヘラしてお茶を濁してしまったが胸に刺さった言葉だった。そして考え続けても6年間答えが出ていない。その間に「シティ・ポップ」という言葉の意味はどんどん積み重なっていった。そして、その間にシティ・ポップについて書いたり語ったりすることも増えたし、そのたびに必ず「自分にはシティ・ポップというものがわからない」とエクスキューズをつけた。今回の収録もつけたのだけど、そこに更に付け足すことにした。放送でどういうふうに言ったか忘れてしまったが平たく言うと「シティ・ポップをきっかけにして国内外から日本の昔の音楽に注目が集まるのは嬉しいこと。私も含めてみなさんもどんどん音楽聴いてこっ!」みたいな感じ。肥大化したシティ・ポップには日本の素晴らしいポップ・ミュージックを新たに掘り返す力がある(かもしれない)。私はそこに賭けているのだ。そこから(私にとって)少しだけ生きやすい世界になり、少しだけ世界が(私にとって)美しくなるかもしれない。極端な話だけど、そう思っている。そうしてまた牧村さんの言葉を思い出す。

 

2022年3月5日(土)11:00~11:25 | GOODYEAR MUSIC AIRSHIP~シティポップ レイディオ~ | TOKYO FM | radiko