幻燈日記帳

認める・認めない

YAON

4/9

野音でライヴ。先月のムーンライダーズとはまた違った充実感。1/29のWWWXでの野性味あふれるライヴとも違う手応え。リハーサルも入れなかったのでああいうライヴができたことが嬉しい。今のバンドの土台のようなものを感じることができた。4/1に妻が濃厚接触に該当していたというのがCOCOAの通知で届いたのが4/3。4/4にPCR検査の予約を取り、不安の中眠りにつく。すべての人が思い描くような「雨の日」の月曜日だ。病院について、外で待つ。10分刻みの予約だったはずなのに20分以上待ってあの予約は一体何だったんだろう、と疑問に思う。スッと鼻に長い棒を刺してあっけなく終了。会計の紳士は意外にもウレタンマスクだった。「陽性だったら22時までに電話があります」と説明を受ける。この日はAマッソのチケットが取れてたのにもちろん行けなくなり、予定していた野音に向けたリハーサルもキャンセルになってしまった。ふてくされて眠っていると電話が鳴り目が覚める。陽性だったのか、と電話に出るとリハーサルのキャンセルの連絡を忘れてしまっていたため、時間過ぎても誰も来ないからスタジオが確認の電話をくれただけだった。結局、陽性を知らせる電話は鳴らず。妻がいろいろ調べて東京都の抗原検査キットをオーダーしてくれた。ウーバーイーツと直前の買い出しで食事はなんとか乗り切ることができた。その間、私は締切を過ぎた作詞をなんとか終わらせ、次の仕事の資料に目を通し、一日5時間Apexをプレイするに至った。リハーサルに入れないため急遽、久しぶりにやる予定だった曲を外して、セットリストを改めて組み直す。そのセットリストをメンバーに共有。翌日には弾き語りで録音。久しぶりのライヴを想定して、部屋でたちながら歌うのだが腹筋が足らない、と痛感し、その夜から本番まで軽く腹筋して過ごすことにする。弾き語りの音源をメンバーに共有。すると佐久間さんからスタジオで練習したドラムのテイクが送られてくる!感激。それに合わせて本番までの数日間、部屋で練習した。本番当日の全日の夜、東京都から届いた抗原検査キットを使ってみると、無事陰性が確認された。胸をなでおろす。昨日、部屋で録音した音源を聴いて会場に入る。野音に車停められると勝手に思っていたからYSIG始まるギリギリに会場についた。すると駐車場はいっぱいなので日比谷公園の駐車場を使ってほしい、との説明を受けて、機材を下ろしてまた車に乗り込む。すぐ近くの日比谷公園の駐車場に車をとめ、階段をのぼり、公園へ出る。うららかな春の午後だ。そうして近づくYSIGのサウンド。ライヴは絶対に最初から見たほうが良いに決まっているのだけど、(カーネーションのときも思ったんだけど)だんだん音が近づいてくるっていうのは本当に気分がいい。公園を横切っているその途中に「今日は最高の1日になる気がする」と思えた。

ライヴはいい具合にできた。"CALL"で始めたら「ヤバイヤバイヤバイ〜!」ってアガってるお客さんいてそれも大変良かった。

楽屋で優介と大関さんと3人で「アネット」の話ができたのもよかった。試写で見て震えたんだけど自分でも震えている理由がわからなくて、話しながらだんだんとそれが明確になっていったのがよかった。自分は映画音痴なのでサブアカでフォローしている鍵アカの人が「古い。お寒い。スパークスのメロディはいいけど断トツで今年ワースト」(要約ですけど)みたいなことをつぶやいていて、「まあそう思う人もいるよな」とも納得できたんだけど、どこかで怖気づいていたから、やっぱり傑作だったよね、と確認できたのがなおさらよかった。クンニして顔上げて歌うシーンとかもそうだし、とにかくあの曖昧になっていくさま。曖昧になっていった先にあるひとつのものだけが形づいていく。あの奇妙さが忘れられない。絶対もう一回観に行く。