幻燈日記帳

認める・認めない

しんしんしん

某日

作詞のため、ファミレスに缶詰になる。イメージをふくらませるためにいくつかの本や漫画を持ち込んだ。それは「神戸在住」や「ふたつのスピカ」や「黄色い本」と言った10代の頃から私にとって大切な漫画たちだった。読み返した「黄色い本」は読むたびに泣きそうになる部分が違う。今回は最後のページで泣いてしまった。それが詩にとってどう有効だったかはもはやわからない。つまづいたときのための息抜きかもしれない。曲からたちのぼる風景をより具体的にするためのものだったかもしれない。とにかく納得のいくものが書けた。

 

某日

本屋に寄る。ほしかった漫画は売っていなかったがレコード・コレクターズ鬼頭莫宏さんの短編集が買えた。鬼頭莫宏さんの短編集は今は絶版になってしまった「残暑」に収録されていたものも収録されたものだ。高校生の頃に熱心に読んだ漫画のひとつ。自分の曲に「花をもって」という曲があるけれど、これは「華精荘に花を持って」という短編から拝借したものだった。「残暑」は誰かに貸したっきり帰ってこなくて10年以上読んでいなかったけど、今読んでもジンとくる。