幻燈日記帳

認める・認めない

ジョークのつもり

某日

朝、ラジオの録音して、終わってそのままCIRCLEで使った楽器を川崎の方まで取りに行く。1時間ちょっとの道が本当に知らない場所まできたような気持ちになり、持て余した。無事に楽器を受け取り、眠り足りなかったので少しだけ眠って、リハーサルに向かう。「今日はね、ラジオ録音して楽器の受け渡しやって、ちょっと眠って今ですね」と佐久間さんに説明したのだけど、疲労感をこれっぽっちも伝えることができなかった。

 

連日作曲が続いている。仕事で曲を書いているのだけど、右往左往してその度にうまくいかない、と嘆く。しかし2、3年前とは違って、ギターを持ってコードを弾けば自然とメロディが出て、簡単なスケッチにはなる。ぼんやりとしたオーダーだけど、力強いオーダーなので、たびたび立ち止まっては検証し、また別のスケッチを描いていく。自分に納得のいくものを作ると、オーダーに応えらている気がしなくなって不安になった。こんなにひとつのオーダーに対して何案もスケッチだけだけど書くことは今まであんまりなかったので、楽しい、という気持ちまで混ざり始めて頭がこんがらがる。夜中のスタジオのミキサーの電源の音すら気になる日もあったし、向かいでドラマーが個人練習していても気にならない日もあった。

 

某日

ZOOMで打ち合わせだったのだが、自分のモニターで後ろにあるレコード棚に畑中葉子さんの「後ろから前から」が置いてあることに気がついて、どういう気持ちになったらいいのかわからなくなってしまった。何日か経ったが今でもわからない。

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26日

森、道、市場の前乗り。ロックの話になり、やっぱりまだOASIS(オゥエイシス)がわからない、という話をした時、「団地出身の持たざる若者が楽器を手にして、それが聴衆を巻き込んで大きいところでライヴやる、みたいな部分をみるなら、今のヒップホップに近い」(意訳)と佐久間さんが言っていて、膝を打った。いまいちハマれないのはストーリーと音楽が同等にあったからなのかもしれない。音楽の先にストーリーがあるのは好きなのだけど、ストーリーが同等になるとそれは確かに中学の頃から嫌悪が始まったロックのそれではあったのか。しかし、それは俺自身が抱える、自身のストーリーのなさからの反発なのだろうか。

 

27日

森、道、市場。いつか呼ばれないかな、と思い続け幾星霜。やっと出演できて嬉しい。嫌われているとさえ思っていたからョ……

 

某日

やっと曲の形になった。超ギリギリで提出、イントロを別案にするだけでなんとかなりそうで胸を撫で下ろす。

 

某日

yes, mama ok?のリハーサル。ずっと曲を書き続けていたそのさなかだったから一曲一曲の重みにシビれ倒す。ここで……こういって……ここへ……!!!?で驚きたい、という気持ちと、もっとライトなものも作りたい、という気持ちがないまぜになって今のスカートがある。それでも1曲だけでもyes, mama ok?のような曲がいつか作れたらいいのに、って思い続けて、曲を書き続けるのだ。(えっ、サブスク一時期コロムビアのもあったのにどうしてLD&Kだけになってるの……)

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