幻燈日記帳

認める・認めない

山菜に聞け

1月1日

松本家と初詣に行く。すっきり晴れていい感じ。初詣の列に並ぶ間、松本ジュニアとしりとりをした。「チンナンゴ」という謎の言語に振り回され、勝ち負けがどうでも良くなる。いい一年の滑り出しである。今年もいい予感だけはする。部屋で日記を書いて、あとは更新ボタンを押すだけ、そんで押したら押したで数日前にキャッシュを削除していたのを忘れていて、ログインされていなかったために書き足した分が全部消えた。フゥ〜〜〜〜〜

 

2日

実家に顔を出したあと、ボーイの家で開催されるというDope新年会に合流。かつてはウォッカと肉しかないパーティだったそうだが、今年は持ち寄ったものは食べる柔軟な会になったっぽい。結局明け方までビートルズのライヴ動画を観て優介、佐久間、澤部の3人が「あ〜〜〜」とか「わ〜〜〜」とか「うお〜〜〜」とか言ってるのを、ビートルズ全然興味ないボーイが見下す構図になって面白かったが、それと同時に申し訳ないネとも思う。ボーイがうんざりして「ジジイ〜〜」と罵ったあとに佐久間さんが深くしみじみと「やっぱり……ジョン……」って言ったのが本当に最高だった。幸先いい。

 

某日

「デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター 増補新版」を刊行する野中モモさんからリクエストをいただきNICE POP RADIOでデヴィッド・ボウイ特集

 

某日

ムーンライダーズのRecが始まる。前作は「三叉路のふたり」だけ伺ったけど今回はそうではなく最初っから。ヒィ〜〜〜〜。一体なにが起こっているんだ…… 

 

10日

ムーンライダーズのレコーディングを早退して「スペシャル」のレコード発売記念インストアをココナッツディスクで開催。やっぱりココナッツでのライヴは本当に特別。「アナザー・ストーリー」と「スペシャル」がレコードでリリースされたことを受けての夜なので、それらのアルバムを中心に演奏すると感激もひとしお。ライダーズのレコーディングから自分のインストアという取り合わせが信じられなくて妙な気持ちになる。心地よい疲労感で一日が終わった。

 

11日

yes, mama ok?で阿佐ヶ谷LOFTで新年会のようなパーティ。トークをしながらときどき演奏という内容でこれがめちゃくちゃに楽しかった。決して上等ではない機材のなか、パーティー感が強調され、過去最高に近い仕上がりだった気がする。特に"Perfect Young Lady "をやっている時は本当に幸せだった。この日は母が観にきていて、高橋さんとスティーヴン・キングの話でちょっと盛り上がったりしていて楽しそうでなにより。家まで送り届けて猫たちに挨拶だけして帰宅。

 

某日

ムーンライダーズのリハーサルが始まる。岡田さんが亡くなった後のガーデンホールでのライヴのリハ以来のスタジオでちょっと胸が痛む。いつも4日だけど今回は2日やってから間を空けてまた3日、と多めに組まれていた。結成50周年のキックオフライヴとして渋谷公会堂でライヴをするから余計に気合いも入る。優介と選んだセットリストも修正なしでオーケーが出て、曲順で少しずつさらっていく。我々が想定した流れのようになった部分、楽器の持ち替えなどの影響もあって想定したようにはならなかった部分、どちらもあったけど結果、いいセットリストになって良かった。

「髭と口紅とバルコニー」のハモ確認の時、一番高いところを歌っていると良明さんが「おっ、斉藤哲夫のパートだね」とニヤっと笑った。ただそれだけだったのだけど、そのひと言に50年の重みというのが突然香って、気合が入った。

リハーサルの終盤、"Cool Dynamo, Right On"をやってて、演奏がむちゃくちゃ上手くいっていて感情が昂った、ならわかるんだけど、まったくそうではないシーン、ハモを歌っているときに自然と涙が出た。どういうことだったんだろう。岡田さんがここにいないことへの涙だったのか?それとも自分の人生を想って涙が出たのか?正体は不明。でも強烈に改めて"Cool Dynamo, Right On"が胸に刻まれた瞬間になった。

 

16日

ゴリラ祭ーズのレコ発に参加するため、10年ぶりに心斎橋のCONPASSを訪れた。今回はスタッフもつかないハードコア遠征だけどなぜか気持ちは楽。ふらりと旅に出る気持ちだ。締め切りやムーンライダーズのリハーサルで張っていた部分を新幹線で少し緩める。着いてみると、ゴリラ祭ーズも全くスタッフがいなくて笑ってしまった。こんなにいいバンドなのに!本番は、10年前にCONPASSに訪れたのが「CALL」のレコ発だったということもあって「ワルツがきこえる」なんかをやった。この曲を作った時、同居人の稲本くんと居間でくだらない話をしていた。お金があんまりなかったから「どうして木って食えないんだろうね」とか言っていたら(普段そんなことはあまりないんだけど)突然曲が出来そうな気配に満ちて、「あ!ごめん!曲できそう!」と言い放ち、部屋に戻り書き上げた曲だった。10年経っていろいろ変わった。思うところもある。でも「ワルツがきこえる」も「CALL」も本当に好き。いい曲。それが変わっていないのが本当に嬉しい。本番が終わって、ゴリラ祭ーズのライヴを見ようとしたら満員で入れなく、柱の真後ろで聴いたり、楽屋に戻って音漏れを聴いたりしていたけど、フロアーに入るためのカーテンの隙間からかろうじて古賀くんが見えることに気づいて、後半は外からカーテンを眺めながら演奏を聴いていた。なんかいい時間だった。

ライヴが跳ねてゴリラ祭ーズは滋賀へ。私は宿へ。なんとなくテレビをつけたらどぶろっくさんがおゲレツな番組のコーナーを受け持っていて最高だった。それにしても腹が減ったよ、とこの時間でも開いている店を探す。インバウンド向けの雰囲気が出ているラーメン屋だったが、おいしかった。食事を済ませ、宿に帰る。日記を書いているひと月後の私からすれば、それ以外のことはポケットに手を突っ込んで冬の大阪をただ歩くだけの感覚と、エレベーターのボタンを押した感覚がわずかに残っているだけだ。

 

某日

合間を縫ってコンペのための楽曲を仕上げる。断片がいくつも足元に転がった。スタッフには4曲出します!と豪語したが結局2曲。ウ〜ム

 

25日

ムーンライダーズ、渋谷公会堂。いいキックオフライヴだったと思う。0曲目の「悲しいしらせ」でモニター等、人が入った状態でチェックもできたのも良かったのか、1曲目の「Who's gonna die first?」は自分も客席で見たいぐらいの渾身の演奏になった気がする。本当に嬉しかった。

 

30日

440でライヴ。中川昌利くんのライヴに呼んでもらう。豊田道倫さんとのバンドでベースを弾く中川くんは観たことがあったが、ライヴを観るのは初めて。歌われる言葉の素直さに気圧されそうになる。私は私で440は大変に思い出深い場所なので、その思い出にまつわる「ハル」に気合が入った。