幻燈日記帳

スカート・澤部渡のせつないまいにち

足らぬ布田CITY

水中、それは苦しいの新譜の惹句に「ジャンルは炙ったイカでいい」とあり椅子から転げ落ちるほどの衝撃を受ける。90年代から活動する水中、それは苦しいをはじめて聴いたのは高校生のときで、確か同級生で現ココナッツディスクの中川くんから教えてもらった。アコースティック・ギター、ヴァイオリン、ドラムスという編成で、どうとも説明し難い音楽性。それゆえに音楽とはなんなのか、ということを改めて考えさせられ続ける存在なのだが、そこを逆手に取り、八代亜紀の「舟歌」を引用してジャンルを放棄し、新しいアルバムの惹句にするのだ。ムーンライダーズのメンバーが全員30代になってから制作された"DON'T TRUST OVER THIRTY"をはじめて聴いたときのような爽やかとは言い難い、独特な感触の感動だった。

数日前から下腹部に違和感があり、あらゆる最悪を想定した後、意を決して医者に向かう。レントゲンを撮り、エコー検査等を受けているときに4年前に似たような症状で医師にかかり、石あるから気をつけな、と診断されたことを思い出した。バイトの帰り道ごとに500ml缶のマウンテンデューを飲んでいた10年前を懐かしみながら「これからはあまりジュースは飲まないようにしよう」と決めたものだが、あれから4年が経ちまあまあ普通に飲んでることも思い出した。4年前と比べてめちゃくちゃ悪くなっているという感じではない、とのことでちょっとだけ安心。採血は記録更新。最高記録は6回目にして断念、というものだったが、今回は9回か10回か忘れたぐらいかかってようやく採血できた。ヴェテラン医師と若い医師、どちらも女性だったのだけど、腕を見ながらふふふと笑って「血管ほそ〜い」と言われる。マゾヒズムの有効性について考える。何度やってもうまくいかず。でもいいんです、じゃんじゃんぶっ刺してください。私が悪いんです。そんなに痛くない、とわかっていてもこれから注射針を刺される、と思うとどうしても緊張してしまう。総勢3名の医師が入れ代わり立ち代わりでやっと採血が終わった後にはぐったりしながらもどこかハイにもなった。