幻燈日記帳

認める・認めない

ABBA急報

配信も開始されたのでもう一度見たくて「サラリーマン川西の夏のボーナス50万円争奪ライブ」をまた見た。やっぱり全ネタ最高。出順も良くて、だんだん誰が出てる、とかどういうネタ、とかじゃなくて、ひとつの塊としての美しさみたいな気持ちになってきた。サラリーマン川西という大きな怪物のワンマンライヴを見ていた、ということなのだろうか。

サラリーマン川西の夏のボーナス50万円争奪ライブ - TwitCasting

 

出来上がった曲がめちゃくちゃいい。前の日記でも書いていたAとBだけ出来ていた曲で、このままA-B-Inter-A-B-OutとかA-B-Inter-A-B-C-B-OutみたいないわゆるJ-POP的な構成でも強くていいよな、と思ったのだけど、夏のボーナス争奪ライブを見た結果、今作っているものはそこからずらしてこそいいものになりそうだ、とA-B-Inter-A-C-B-Outという形に落ち着いた。渾身のCメロが出来て最高。締め切りがギリギリ過ぎて遠隔プリプロも出来ないまま録音当日を迎えることになってしまったが、このバタバタしている感じは(メンバーからしたらたまったもんじゃないと思うけど)少しコロナ禍の前を思い出して懐かしい気持ちになる。そうしてまた次の締切が決まっていて、それは目と鼻の先だ。 

 

同居している恋人が2度目のワクチンを打ち終え、2週間が経った。自分の接種から2週間が経ってもあまり積極的にでかける気持ちになれなかったのはこのためで、接種の日程が決まった頃は「じゃあこのあたりには久しぶりにでかけてどこどこに行きたいね」とか話していたけど、感染状況と締切からそうもいかないかもしれない。副反応もつらそうで、モデルナの副反応は女性に多い、とニュースで見たけど、こういうことか、とおれには潤沢に冷えピタを確保することしか出来なかった。

 

すっかり秋です。かりそめの季節感と知りながら、窓をあけ、ジャズなんか聴いたりしちゃって。

曳豆

「サラリーマン川西の夏のボーナス50万円争奪ライブ」を観に行った。タイトル通り、入社3年目の営業職のサラリーマンがタガが外れて夏のボーナスを賞金に自らの賞レースを企画したライヴで、リアルすぎる賞金額に全員全ネタがバッチバチにキマりまくる壮絶なライヴだった。迷いなく最後列に着席したのだが、全席にかけてあったはずのソーシャルディスタンスを諭す札が後方の2列だけ裏に回ってしまっていて、開演時間が近づくに連れてギッチリ座るところもあって結構ゾッとしてしまった以外は最高のライヴだった。コロナ禍以降、いろんな人が出るライヴはアングラDこと松本健人がキュレーターだったしぶロフ寄席ぐらいで、そこも得体のしれないパワーがあったけど、この日もめちゃくちゃだった。とても充実した気持ちです。久しぶりのイベントがこれでよかった。

 

ひっさびさのバンドでのレコーディング。優介はこないだの奥津さんにかいた曲のレコーディングやムーンライダーズで、ボーイとも奥津さん、そして舞台でよく会ってたし、なおみちさんもライダーズであってた。佐久間さんとは優介とよくApexやってるから久しぶりの感じもしなかったのだけど、去年の9月のライヴ以降会っていなかった。プリプロも遠隔でやったし、どうなることやら、と思って心配だったし、実際序盤は自分がどうやってレコーディングのテイクに対してオーケーを出していたか、自分のギターのタイム感、メンバーのタイム感とかを忘れていて、「果たしてどうだったっけ…?」って思い続けていたけど、何回かやっていくうちに少しずつ思い出せたし、特に2曲目に録った方はドラムテックの伊藤さんの采配もキマっていい具合の音像で録音することが出来て嬉しい。今月はもうちょっと録音が続く。まだ曲が仕上がっていないのでがんばる。

たられば図鑑

昨日、久しぶりにコンビニに行ったら「ものがこんなにある!」というのがたまらなくうれしくておにぎりやサラダ、スイーツなどを余計に買ってしまった。それらを食べて朝食とする。

 

昼間に車に乗り込みOKストアに向かう。店に設置されているATMで今月の家賃(手渡し!!!)も合わせておろす。手数料とかかかるけど銀行にマジでいかないから仕方がない。とにかく出かける回数を減らすため、お菓子も買い込み、野菜も買い込み、強炭酸水も箱買いした。お買い上げ金額は1万6000円。こんな暮らしを1年半続けている。

 

重いハウスダストアレルギーなのにろくに掃除もしない万年床で眠っているから朝起きる頃にはひどい鼻水に見舞われていることが増えて、アレルギーの薬も尽きたので耳鼻科にかかる。「コロナはただの風邪だよ」と笑いながら言われてからこの医師の前ではとにかく暗く振る舞おう、としている。負の連鎖かもしれないが、私に出来ることは末端シンガーソングライターの現実を見せることしかできないのだ。「どうですか、最近は」「どうもこうもないですよ。こうして生計立てられているのが不思議で仕方ない」「谷底を歩いているときはしんどいですからね」「あけない夜はないよ!」と言われたので「夜が明けたからってそれがなんだ、っていう感じですよ、今は」と口走ってしまう。そうなのだ。夜が明けて、すべてのものに陽光が降り注いだとき、夜の暗闇に隠されていたもろもろが見えるだけだ。夜が明けてみたら私は周りをサメが泳ぎ続ける、ヤシの木しか生えていない孤島にいるかもしれない。夜が明けてみたら私の足元にはガラス片が散らばっていて、「こんなことなら暗いうちに歩き出したほうがよかったよ!」とおもうかもしれない。全てに納得がいかない。

 

診察を終えて、薬をもらって本屋に飛び込み、「スインギンドラゴンタイガーブギ」の5巻を購入。もう日が暮れる時間になっていて、サンドイッチを作り夕飯とした。そんなこんなでくたびれてしまい、結局今日はギターはもたなかった。

 

もう眠くなってきた頃に優介から遠隔プリプロの音源が送られてきて、これを確認、返信してから眠ろう、とデータをLogicのセッションにあてがう。スペースキーを押した途端、「あっ、完成した!」と興奮し、目が覚めた。そこからレコーディングに関するあれこれのメールを各所に送り、もろもろ完遂。気分がいいので日記も書いた、っつーわけ。

タライ・シャッフル

ナイポレメンバー大集合回の収録無事終わり。俺にはディレクター大和氏の倫理観と優しさを信じることしか出来ない。

 

天袋を少し整理することにした。レコードがあまりにも棚から溢れ出ているからだ。すると天袋からは5000円ぐらいで買ったけど指の太さから即諦めたヴァイオリンやもう4年ぐらい叩いていないボンゴとか出てくる出てくる。そこをなんとか整理していってすぐには聴き返さないだろうけどあとで聴きたくなったときに手に入りづらそうなレコードやなかなか聴き返さないレコードを詰めていく。学生の頃、金がなくて持っていたCDを手放していたとき、ひとつの基準に「この作品は絶対にいつでも買える。(なぜならそういう歴史的なものだから)」というのを敷き、そういったものから手放した。だから高校生の頃に新品で買った「空中キャンプ」もない。今我が家にあるCDはSHM-CD紙ジャケットで再発されたものだ。あれほど聴いたデータも128kpbsで、いつのまにか256のデータにアップデートしてしまった。30歳超えたぐらいで「私の手元にはあのときの空中キャンプが戻ってくることは二度とないんだな」とおもうようになった。手放すことに慎重になってしまったが、たとえば買い戻したレコードをよく聴いているか、と問われると実はそうでもなかったりする。もうどうしたらいいのかわからなくなってきた。

 

突然襲ってきた締切のBig Waveに備えて作曲作業を再開。数日前に「おれはな、本気出すねん」と息巻きながらライダーズのライヴ以降ろくにケースから出しもしなかったアコギとフェンダーの弦を買えて満足していたが、リッケンの弦も変えてリッケンを持った。奥津さんの作業をする前に作り始めていたメロディのスケッチを整理していくところから始める。A、Bと良いメロディが出来たのでどういう構成だったら興奮するだろうか、ということを考える。ここからこういって、ああいけたら、でもこのままだと長くなる、やっぱり3分台目指すにはどうしたらいいかな、と考えながら、手を動かしつつ、考えないようにしてラララ〜と歌っていく。うまくまとまらずApexに逃げた。そうこうしていたらまた日が暮れた。

タフ常備菜

作詞と部屋の掃除を行ったりきたりする。消防設備の定期点検が9月にあるのでそれまでになんとかすればいいのだけど作詞に行き詰まったら掃除して、テレビ見て、フジロック見て、掃除して、結局だいたい一日掃除していた。

 

クーラーのきいた部屋で過ごすだけの夏に於いては部屋から一歩も出ずにおもうことってどうしても偏りが出てきて、自分でその偏りに耐えられなくなる時が多く、頭を抱えては目線が移り変わり、日付が変わっていく。不連続の連続から連続という判断がなくなってあっという間に時間がすぎるのだ。「私は今、大きな困難の中にいる。」言葉にしてみるが、クーラーのきいた部屋で過ごすだけの日々を選択(か獲得)してしまった私が口に出すにはあまりにも現実味がない。そうしてまた日付が変わった。それでも数時間前に見たナンバーガールの演奏はそのグラつきから一瞬開放させてくれた気がする。

 

夜中に友人とLINEしてて軽口で「サンキュ.(ドリカム)」って送ったら自分で「「感謝(驚)みたいに言うなよ〜〜〜〜!」と妙なツボに入ってしまった。

アンテナ会の夢

部屋の掃除をしていて、新しくフェンダー買って以来部屋の本棚の前に立て掛けておいたリッケンを少し動かそうと手に持ったら知らない間にネックがものすごく黄ばんでいた。何ヶ月も触っていなかったからなのか、もともとそうだったかもしれないけれども、とにかくこれが本当にショックで、なんて取り返しのつかないことをしてしまったんだ、どこでこうなってしまったんだ、少しでも触っていたらここまで黄ばんでなかったのかな、と何度も自分に問い詰める。ネックに見覚えのない打痕もひとつ増えていて更に嘆き、悲しむ。そして、その嘆きも、悲しみも、どこか上っ面なのを感じて余計にダメージを食らった。誰からのダメージで、誰に食らわされたダメージなのか、イメージが頭の中で離散して戻ってこない。せめてこんな夏じゃなかったら。

 

仕事がなかなか進まず、行ったり来たりする。気分や環境だけではどうにもならず録画していたテレビをいくつか見て、おおいに笑い、気を紛らわせることができた。芸人ポーカーでの麒麟川島さん、異常に調子が良くてなにか言うたびに笑いながらぐっときてしまった。

 

冷蔵庫のもろもろが底をつきかけているので夕方にスーパーに出かける。8月の真ん中なんでこんな感じだったかな、と傾きかけた街を眺めながら買い出し。生鮮食料品、ティッシュの買い置きなど、もろもろ済ませて店の外に出るとすっかり夜になっていた。早くこんな夏終わってくれ。

 

素晴らしい秋の予感だけ傍らに置き、窓を開けてジャズのレコードばかりを聴く。Maurice Vanderの"Du cote de chez swing"というアルバムを久しぶりに聞いて胸が高鳴る。その熱のまま、Maurice Vanderの未聴のレコードはなにかないか、とタワーで検索をかけたら「サラヴァ・ジャズ」というコンピレーションが再発されていた、と知る。そもそも存在知らなかったから存在していた、と知る。タワーの解説だと、詳細は書かれていなく、おそらくモーリスは「ムーン・リヴァー」だけの参加と思われるけど、ジャケも最高だったのでそのままよく調べもせずにカートに入りっぱなしだったAaron Frazerの7インチと一緒に購入してしまった。解説を含めてとても楽しみ。

 

Champion Jack Dupree/サラヴァ・ジャズ

 

なあ私のリッケンよ、どうしたら機嫌がなおってくれるんだ、とサウンドハウスで新しい弦を何セットか注文をする。