幻燈日記帳

認める・認めない

COMITIA 100



前作とは違ってジャケットはついたのですが、
歌詞カードは載せられませんでした。
なのでこちらに掲載。


1. 海の背中


忘れてほしいこと 指で確かめて
話してほしいこと 胸にしまいます


「ララ」 あの頃のメロディをたどって
もうないけど いつかまた聴かせてよ ねえ


バラバラになった 星の影が
誰もいなくなった 橋の影見下ろすよ


ためらってほどいた 百の物語
「踊ったあの夜は 胸にしまいます」


また あんなこと言って傷つけあったんだ
もういいけど 僕らには教えてよ ねえ


バラバラになった 星の影が 
いくつも重なって うごけなくなるまで きつく結わこう


2. かぞえる


雨つぶが 点になる
君みたいな 名前もって
カタカナの ルビが降る
文字の海 浮標はない


フリダシだ 戻れない
雪のように 降り積もる
間違えた ことのすべて
蔦のように 伸びる かなしみのすべて


もうやめた!
電話もメールもなにもかも


明日解っても 涙こぼれても イライラしないよ
誰と笑ってんのって 誰が笑ってんのっ! 考えたりしないよ


3. 果実


誰にも言えない秘密があっても
誰にも言わないことができない
あのこの髪をどうか
悪意で照らさないで


誰にも言えない秘密があるんだ
君にもきっと話せないような
あのこの指をどうか
誰にも触れさせないで


血曇った心 投げ捨てたい気持ち
君のスカートが短くなっていく
僕にも色を見せろよ


途切れてく心 置き去りの気持ち
君の憧れがおろかになっていく
血曇った心 抗いたい気持ち
僕の企みが醜くなっていく
君にはバレないように


誰にも言えない秘密があっても
誰にも言わないことができない
あのこの髪をどうか
悪意で照らさないで


4. 人いきれ


抱えきれない人の波をひとり歩いてく
もうやだとか言わないでね
伝えきれない想いの丈をひとりつぶやいてる
合わせる顔がなくって


また夜明けが遠くなるようで
少しだけめまいに惑う
諦めが形になりそう
でもこれからどうすればいいんだ
対岸で爪を噛み想う
つないでくれと


チャンスがほしい
(もしあるならば)
穏やかに話せる気がする


たどり着けない人の波をひとり眺めてた
まだなにも知らないで
君のきれいな黒い髪を思い出している
もうどこへもいかないでと


5. 三月


もう何も言わなくていい
だらしないその指で頭で
思い出してみせてよ
もしさいはてがここならば
昨日までの言葉や嘘が続くなら見せてくれ


少しだけ不安でも
最後はきっと笑っているね
見つかった分だけ
もう逢えなくても照らしてほしいけれど


ずっと探していたものがある
言えなかったこともある
違うんだ またひとつ増えたよ
まだ君の声が聞きたい
わからないままでいい
言葉も嘘も続くなら消してくれ


6. おばけのピアノ


さびたギターもならなくなるとさみしい
チケットはもうない
さびた時間も油を注したくらいでは
帰ってこないわ


ここからは じゃあね わたしの出番
古いカーディガン羽織って
暗い森も照らしてあげる


おばけのピアノ
すてきなピアノ
どこにいたってわすれないよ
おばけのピアノ
かわいいピアノ
ただじっとまってる


眠りのなかじゃ街の地図だってあやしい
気づいたらもうない
飾った夜のため開け放つ暗い窓
もどってこれるね


ここからは全部ぼくらの時間
暗い言い訳を纏って
冷たい檻を照らしておくれ


おばけのピアノ
すてきなピアノ
どこにいたってわすれないよ
おばけのピアノ
かわいいピアノ
ただじっとまってる


君の声が
だんだん重くなっていく
いつもそうだろ
もう羽根をたたまなきゃね


どんなギターもならなくなればさみしい
あの頃はもうない