幻燈日記帳

認める・認めない

わたしは何人か



昨日は非常にいい日になりました。


少し早起きして物販で売るCD-Rを焼いて、
ギターと着替えの入ったバッグを抱えて自転車で東武練馬まで向かうのです。
私の普段の暮らしでは地下鉄に乗るのですが、
その路線では最終電車が早く来てしまうので、
少しだけ足をのばして東武練馬まで向かったのです。
涼しくなったとはいえ、ゆるくずっと続く坂道をのぼっていくのです。
木が影をつくっている。


電車は10分ほど遅れていた。
やっとシートに座った頃には汗も少し引いていた。
池袋で山手線に乗り換えて新宿へ向かう。
菊地成孔さんのトークショーとサイン会があり、
CDを買ったら整理券をもらったので、こんな機会もなかなかない、
とせっかくなので参加してきた。
ちょっとサインをもらうだけなのに緊張してしまって大変だった。


すぐに池袋へ向かって遅めのごはんとしてうどんを食べる。
なんだか気分に合わなくてどうしたもんか、
なんて思いながらディスクユニオンに寄ったら、
83年から86年までのXTCの12インチが安く、充実していて、
全部欲しかったけどLove on a farmboy's wagesの12インチを買いました。
選考理由はB面が81年のライブで、English Roundaboutを演奏しているから。
5拍子なのにとてもポップで素敵な曲だと思っています。


だいぶ早く会場である池袋ミュージックオルグへ入る。
ユームラウトのリハーサルを眺めながら早起きを呪い、少し眠り、
30分くらいして優介から電話があって起きた。
自分のバンドのリハーサルを終えて、清水君、優介とでジュンク堂へ行った。
どんな漫画が面白かったとか、これ買ったけどそんなに、
とかそういう話をして楽しかった。
優介は3冊くらい漫画を買っていた。
こんなに攻めの姿勢の優介は3、4年の付き合いではじめて見ました。
僕は志村貴子さんの「放浪息子」を買いました。


開演前にそれぞれの整頓をする。
人が集まってきて演奏が始まる頃にはタバコの煙にやられてしまって、
楽屋に閉じこもってしまった。
PROPOSEの演奏はタイトでかっこ良かった。
曲もちょうど良くひねくれていて素敵だった。
PROPOSEの演奏を最後の方だけでもみようと思って、
ちらっと出たら、入場者チェックリストにある人の名前があって、
緊張でまた楽屋に引っ込んで椅子に座り込んでしまった。
ある人というのはどういう人なのか、というのを説明するべきか、
迷っているのだけど、あとで結局言わなければならないはずなので、
先に書いてしまおう。佐藤幸雄さんだ。


昨日のスカートのドラムを叩いたのはpop鈴木さんだった。
ポップさんは佐藤幸雄さんとかつて「絶望の友」というバンドを組んでいた。
ギター2本にドラム、という異様な編成のバンドだったそうだ。
終演後、ユニオン金野さんから佐藤さんと近くの喫茶店に居る、といわれた。
「新幹線の関係であんまり長い時間いられない」
とのことだったので着替えもしないで僕とポップさんと数人で喫茶店に向かった。
ポップさんが隣に座ると、
佐藤さんはポップさんを抱きしめた。19年ぶりの再会。
ポップさんは安心したように「許された!」と言っていた。


「まずS君の墓参りをして、高校の同級生に22年ぶりに会って、
それで君のタイコ聴きに来たわけ」
佐藤さんはそう言った。
ギターやピアノのチューニングの話を聞きながら、
「ああ、今となりに居るのは本当に佐藤幸雄なんだ」
という気持ちになって、結構混乱してしまった。
佐藤さんのことだから君はどういうことを思って歌をうたうんだい、
くらいは訊かれるかな、と思っていて、ぼんやり考えていたんだけど、
スカートというバンド名を突っ込まれてたじたじになってしまった。
憧れの象徴のひとつです、とすんなり言えたらよかったのだけど、
「あのーえーっと、風が吹くとふくらむし…そのー」なんて言っていたら、
「おもしろくないっ」と一蹴されてしまった。


時間はあっという間に過ぎた。
金野さんと佐藤さんを駅まで送り、ライブハウスに戻った。
ユームラウトの演奏はちょうど終わったところだった。




9/24 南池袋music.org セットリスト
1. スウィッチ
2. だれかれ
3. 花をもって
4. 魔女
5. 新しいウーリッツァー
6. セブンスター
7. スミレとヘルメット
8. S.F.
9. 月の器
10. TJNY(仮)
11. ストーリー


歌とギター 澤部渡
ベース 清水瑶志郎
ピアノ 佐藤優
ドラムス pop鈴木