幻燈日記帳

認める・認めない

レズ姉妹


神奈川の大学へ向かう電車で豊田道倫の東京の恋人LIVEを聴いていたら涙が出た。
大学に入ったばかりの頃は二日で三回は音楽に泣かされていた。
強くなったのかも知れないが、向かってくる強大な力を受け流せるようになっただけかもしれない。
それはとてもいやなことだ。
今日は大学でほとんど口を利かなかった。
図書館でロックオペラのトミーを見た。
今は小田急に揺られながらフリッパーズギターのヘッド博士の世界塔を聞いている。
僕は一体何を壊そうとしているんだろう。
世界が一瞬服従した。僕の言うことを聞いた。
すると世界のやつは小田急線内での推測の未来をいくつか用意した。
ひとつは僕がただ音楽を聴いて爪先でリズムを刻む世界。
あとは優先席に座っているブサイクをグーでぶん殴り、そのブスがグルーブチューブに合わせて床をのたうちまわる世界。
他には向かいに立っている髪を後ろで結っている背の小さい赤眼鏡の女子高生と仲良くなる世界。
世界だなんて書いたがうそ。宇宙でもないが、妄想かもしれない。違うかもしれない。
いくつにも広がったパラレルワールドが僕の目の前でひとつの太い糸になったような気がしただけだ。