幻燈日記帳

認める・認めない

もうずっとずっとむかし



僕とジョルジュのライヴ。小田急線に揺られて過ごした十代後半と二十代前半に町田はすぐそばにあったはずなのに在学中は結局一度も降りることなく卒業した町田でライヴだった。序盤は正直固かったかもしれないけれど決定的なタイミングがあったわけでもなく何かが弾けていった様子は観客だったらとても興味深く見たんじゃないかな、なんて思った。「僕とジョルジュ」は実験的、退廃的とかいろんな記号で結ぶことができるけれども記号は記号でしかない、という事を改めて知った一枚だった。ライヴなんて出来ないんじゃないかな、と思った部分もあったけど、出来てしまった。妙な手応えがあったのは僕だけではないはずだ。また次にやる機会があったらぜひみなさんも見に来て欲しいです。アルバム「僕とジョルジュ」も騙されたと思って聴いてみてください。
帰りの車は荷物の多い人を後部座席に乗せて帰った。姫乃さんと馬場ちゃん、助手席には恋人が乗っていたので女性ばかりが車に乗っていたことになる。人生でこんなことは一度もなかったよ!と華やかな気分になり、危うく赤信号を見落としてしまうところだった。注意一瞬怪我一生。姫乃さんを降ろして馬場ちゃん降ろしたらタカ吉田さん(ex.PROPOSE ex.CLISMS)がBAR長州ちからで店番をやっているというので覗いて帰るつもりが5時すぎまでだらだらと話し込んでしまった。思いがけず特濃な悪口をノンアルコールでぶっこみ続ける自分は腐ってるな、と確信しながらももう真っ暗ではない朝の空気を暖房でごまかしながら家路に着いた。
風呂にも入らず布団に潜り込み目が覚めたら8時だった。驚いたがまたすぐ眠りに就いた。目が覚めたら14時。簡単な仕事をしようと思ったらなにかぐったり来てしまい過去のボイスメモの整理にとどまってしまった。何もする気になれないのなら、と潤った銀行口座を見つめて、レコード屋に行って、部屋の切れかけの蛍光灯を買おうじゃないか、と吉祥寺に出た。取り置きしていたレコードを2枚購入、ヨドバシで蛍光灯を購入。家に帰り蛍光灯を取り替える。昔の蛍光灯は真っ白い光だったのだけど、新しい蛍光灯は少し淡い白というかやわらかめの白だった。それまでの部屋の景色も少し違うように見える。これまでの部屋じゃないみたいで落ち着かない、とかではないのだけど、もう戻らない何か、というのは誰の手のひらにもきっとあるのだろう。夜は「鬼火」を見た。何かに重ねたかもしれない。夜は夜でしかないなんて誰が決めたんだ。僕の好きな音楽家が救われる日がどうか来ますように。