幻燈日記帳

認める・認めない

トンメトーパア

17日

やついフェスティバル出演。サーキットイヴェントに出るのは本当に久しぶりで、あの独特な雰囲気を思い出すのに随分と時間がかかった。ロンドンへ向かう優介を見送り、メンバーで王将ステージへ向かい、酒やソフトドリンクを浴びていた。ぎゅうぎゅうのEASTに戻って、スチャダラパー、お笑いステージを続けてみる。ダウ90000のみんなにも会えて嬉しい。頼もしい、いい顔をしていた。

トリプルファイヤーを観に行ったが入場規制がかかるほどの大盛況。入れてもぎゅうぎゅうすぎてとてもいられなく、音漏れを聴いては「やべ〜〜〜」とか話していた。後半、ようやく入れてじっくりとみる。やっぱり最高。いつでもトリプルファイヤーだけが俺を裏切り続けてくれる。

 

20日-23日

ムーンライダーズのリハーサル。元々三日しかリハーサルがない、と聞いていたので優介とセットリストの叩き台を決める時に新ネタはあまり多くは入れられないね〜と話していて、3曲ぐらいにとどめていたのだけど、気がついたら四日に増えていた。優介はピーター・ガブリエルを観にロンドンに行っていたので最後の一日だけの参加でヒヤヒヤしたが、見事に乗りこなしていて、いつもより優介がまぶしく見えた。

終演後に流れるCiao!のアナログ盤の盤起こしを買って出て、家で作業をする。悲しくなっちゃってメソメソしていたのだけど、EQのアナライザ見て涙が止まった。16kあたりの超高音域がピーンと立っていて爆笑してしまった。サージェント・ペパーズの犬を困らせるやつ(子供の頃は「犬のためのレコードがあってもよくない?」って伝え聞いていた気がする)だ!芸が細かすぎる。

 

25日

ハイドパーク、circleとなんとか無事だったけどこの日の「さよならは夜明けの夢」はさすがにヤバかった。慶一さんが演奏のあとに「どうもありがとう」と言ったのだけど、その言葉が幾重にも意味があるように聞こえた。

 

某日

数日、作詞でロイヤルホストに缶詰になる。安い客だと思われたくないからつい注文してしまうから普通に経済的でない。大比良瑞希さんのは割と筆が乗ったのだけど、U-25 OWARAI CHAMPION SHIPのテーマ曲の方は今までにない感じをチャレンジしたくて、ものすごく時間がかかってしまった。ふと窓の外を眺める、みたいな余裕が全くない、これはよくない、と、普段飲まないコーヒーを淹れてみたり、普段なら注文しないであろうフィッシュ・アンド・チップス頼んでみたり、注文したことがなかったヨーグルトジャーマニーを頼んでみたりしたけど、どれも大きな効果はなく、結局ものすごくギリギリに詩は完成した。けど、書き上がった詩を見て「チャレンジしたくて」と言っていた自分はどこに行ったのだろうか。トイレの鏡を見てみたが、どうやら私はここにいるようだ。

 

29日

元昆虫キッズの高橋くんと弾き語りのツーマンライヴだった。エレキギターを弾く高橋くんを観て、あ〜そうだよ、昆虫キッズは最高のロックバンドだった、と思い出せた。そして今、ソロをやっている高橋くんが頼もしく写ったのも嬉しい。私は高橋くんと出会った頃に作った曲を中心に演奏した。CALLも視界良好もやらなかったけどスミレとヘルメットとショパンはやった。そんなライヴになった。

高橋くんに「こないだ福岡行った時に向井さんと飲んだんだよ」というと「えっ、スカートで福岡行ったの?」と訊かれたので「あ、いやムーンライダーズ」と答えた時に、高橋くんと出会った頃から今が突然一本の線、いや一本の矢のようなものが駆け抜けていくのを感じた。言葉に表せない驚きだった。

終演後、出待ちの青年たちが居てカリスマとしての力量の違いも見せられた。俺のライヴだとそういうのほとんどないっすよ

 

7月1日

ブロッサム・ディアリーのボックスが届く。自分の夢以上のなにかがこのボックスセットだ。未発表のどの曲を聴いても嬉しくてたまらない。オランダでのライヴ盤を聴いた時に、「1971年のブロッサム・ディアリーはドラム、アコースティック・ピアノ、エレキ・ベースという編成だったのか!」と驚いていたけど、その延長にいろいろまた見えてきて興味が尽きない。そしてライナーちゃんと読めるようになりたい。その一心からDeepLに文章ちまちま打って翻訳していたのだが、ある時カメラからテキスト読み込める、と気がついて気が抜ける。しかし知りたい情報は書かれていなかった。

 

2日

ムーンライダーズのアナログ視聴会はとても楽しかった。Happnings......のアナログめちゃくちゃ音良くて最高。終わった後、皆さんと食事会で、楽しい話をいくつも聴いた。アメリカに旅行に行く、という話になり、くじらさんがかつてアメリカに行ったときの話を聞かせてもらった。セコイヤ国立公園の景色の話だ。今回行くのはハリウッドだから少し距離があって多分行けないけれど、GoogleMapにピンを立てる。そうしてきっとずっと忘れない。

 

7日

前日に見たお笑いライヴは面白かったのだけど、心の置き所がわからなくなってしまい、悶々としながら4時まで起きてしまっていたため、ふらふらでランドリーに向い、洗濯を済ませる。部屋に戻り、赤城忠治さんの訃報を受け取った。むう。

大比良瑞希さんのYouTubeの撮影で六本木待ち合わせ。数日前に車のエアコンが故障してしまって大汗かきながら向かったのだが行けども行けども青梅街道は大混雑。ただでさえ7分ぐらい遅刻していたのだが、ひどい混雑に巻き込まれ、対処方法も見つからず、30分遅れて到着した。さらに最悪だったのが集合場所を間違えてしまっていたことだ。50分の遅刻はさすがに人間として最悪すぎる。俺は醜い。というのに大比良さんチームは暖かく迎えてくれた。収録中、カメラが熱くなりすぎてカメラが止まるハプニングがあったが、私の気持ちは勝手に救われていた。

楽しい収録を終え、一度部屋に戻り、PANTAさんの訃報を受け取った。どうしたら。ぼんやりした頭を抱えながら、リハーサル。7/13のリハーサルだった。持ち時間がめっちゃ長くて全14曲。久々な曲もある。長い持ち時間が故に、セットリストの可能性が無限すぎて困った。いわゆるチョー定番はもちろん、nestに出演する、ということも加味して今でもよくやるけど、あの頃にはもっとよくやっていた曲などで構成できた。最初持って行った叩き台を主に佐久間さんに意見を仰ぎながらいい具合に収まった、と思いたい。バンドでは2018年ぶりのo-nest、お見逃しなく。

neutral「スカート×ゆうらん船」 : スカート オフィシャルサイト