幻燈日記帳

認める・認めない

ロザモンド・モンモランシー・ファンクラブ

16日

永田敬介さんのトークライヴを観に行く。客入れ中も客出し後も永田さんとスクースクータイム井口さんが話し続けるというライヴ。この日のライヴの面白さはどう説明したらいいのかわからないんだけど、めちゃくちゃ面白かった。「火の鳥」を指して「これからもどんどん新しくなり続ける漫画」という意味のことをおっしゃっていて感銘を受けた。

 

18日

悲しい気持ちでライヴ会場へ向かう。こんな悲しい気持ちの日にライヴなんて。リハーサルを終えて、PINK MOON RECORDSで買い物していたらまつきあゆむさんにばったりお会いできた。小さいお子さんを連れてらっしゃって、「サージェント・ペパーズ」やビースティ・ボーイズなんかを聴いているそうだ。奇しくもその時の店内BGMは「サージェント・ペパーズ」のカヴァー・アルバムだった。若い店員さんに「ムーンライダーズでお見かけしています」と言われる。

ライヴハウスに戻る。弾き語りは普段、そのばその場でやりたい曲をどんどんやっていくことが多く、この日もそうするつもりだったのだけど、うまく行かない気がして曲順を組んで臨むことにした。対バンだったLaura day romanceの川島くんから「今日もセットリスト決めないでやるんですか?インスタライヴで「いつかの手紙」リクエストしてたの俺です」と言われて背中を押された。曲順は白紙に戻すよ、悲しい気持ちがなんだっていうんだ、それとこれとは別だよ、と自分を奮起させた。ライヴはいい調子だったと思う。「ポップな音楽というと楽しいものを想定してしまいがちだけど寂しい音楽もポップの範疇、今の自分にとって一番ポップな曲をやります」みたいなことを言って「四月のばらの歌のこと」を演奏したのだけど、終演後ひとりの青年に声をかけられて、あのMCがとても響いた、と言ってくれた。嬉しいねえ。

 

19日

急に思い立ってコミティアに行った。急に思い立って行ったもんだから事前にティアマガすら買えず、昼からの参加となった。久しぶりのビッグサイト。前回行った時は青海の方だった気がする。不思議と久しぶりな気がしない。志村日誌オルタナティブ(現:志村日誌ナゴヤ )の志村伸夫さんがサークル参加されると聴いたからだった。志村さんの本は結局買えなかったけど久しぶりにたいぼくさんや亀井薄雪さんに会えて嬉しかった。本もたくさん買った。ののもとむむむさんに「ムーンライダーズでお見かけしています」と言われる。誤算だったのはあんまりたくさん買うつもりじゃなかったのだが、実際足を運んでみると「持ってない既刊」が多すぎた。お金はあっという間にそこを尽きてしまった。

そのままリハーサルスタジオに向かう。3人体制でのツアーのリハーサル。まだセットリスト触れるところは触っていってよりよくしようとしていく。コミティアの後だからさすがに疲れ果てる。

車から降りて部屋の灯りが見えたとき「悲しい気分だから電話かけたのさ」という歌詞がなんとも胸に染み入る夜だ、と突然思った。

いい言葉ちょうだい - song and lyrics by Fishmans | Spotify

 

20日

元パニックハウス加口くん、ユームラウト西村氏の3人で飯を食った。別れた後、加口くんが「粗悪な月あかり」の詩をほめ忘れた、とツイートしてくれていてアガる。同業者にもっとほめられたい。

 

21日

昼間、完璧な晴れの街を歩く。「空が青い、と歌うだけで悲しさを表現できる」というのは加藤和彦さんが高橋幸宏さんを評しての言葉だ。

sorayaさんとシンリズムくんのライヴをふらっと観に行った。素晴らしかった。この組み合わせで今見れてよかった。転換中に「あっ!あの!ODDTAXIの!ファーストテイクも見ました!」と若者に声かけられて「そうです、PUNPEEじゃない方です」と答えたのはちょっといけ好かなかったかもしれない、私が悪かった。終演後には別の青年に声をかけられ「澤部さんがツイートしている音楽から掘って行っていろいろ聴いています。yes, mama ok?とか、ムーンライダーズとか」と言われて、すぐ近くにうすやま氏(私が14歳の頃からDJを聴いて影響を受けた人)がいて、「いや〜〜〜いいっすね〜〜〜」とかわけのわからない絡み方をしてしまった。

アンコールでリズムくんを交えた3人で演奏した「ひとり」がすごく良かった。完璧なポップ・レコードがすでにここにあるのに、ピアノ、ベース、歌、ギターというシンプルな編成だからこそ、それを凌駕する何かがあった。

 

ひとり - song and lyrics by soraya | Spotify