幻燈日記帳

認める・認めない

さざんかの宀

時間の間隔は戻ったのだが怠惰に拍車がかかりキビキビと動ける気がしない。メジャーデビューしたあたりで今までの夏休み人生を返上しているんだな、なんて思ったこともあったのだけど、今は夏休み人生より重い罰を背負わされているような気がする。

胸を撫で下ろしたと思ったのに気が滅入るニュースが続く。やっぱり「旦那が50万稼いで奥さんがパートで25万稼いで」みたいなことを言い出したときに強く反発するべきだったんだ。怒っているのも疲れちゃった、なんてちょっと前はいったけど、怒り続けないとダメなんだ、とさらに暗い気持ちになるし、幸か不幸か燃料には事欠かない。

積んでしまっていた漫画を読むゾーンは継続している。うれしい。

3回目の在宅配信ライヴが決まる。次はリクエスト大会。過去二回は弾き語りだとあまりセットリストを決めないスカートがかっちりセットリストを決めて臨みましたが、今回は事前リクエストに加えたぶっこみリクエストという構成でやることにした。もう日程もみんなに決めてもらおうよ、となり、現在アンケート&リクエストを広く募っています。スカートの過去に発表した曲のなかからリクエストをいただけたら嬉しいです。上位三曲は多分やる。そして1,2回でやってない曲を中心に選んで、さらにはぶっ込みリクエストに応えていく、みたいな。みなさんよろしく。21日の23:59まで受け付けています。https://forms.gle/YgLyanfr9PDvTJzRA

瑠璃色の求肥

締め切りは少し過ぎてしまったけれどもひとつのデモを送信。達成感があり、logic上で何度も繰り返し聞いた。

ひとつつきものが落ちたのか、さっぱり抜けていた「時間」の概念が戻ってきた気がする。いつものようにゲームをしていて時計を見たら2時だった。その時に「えっ?まだ2時?」と久しぶりに思えた。この2ヶ月近く、ゲームをしてもラジオを聴いてもテレビを見てもソファ座ってるだけでも「えっ?もうこんな時間?」といった具合であっという間に時間が経っていた気がするのだ。とにかく今はゲームばかりしていた毎日に飽き飽きしたんだよ、だなんて思いたくない。

同じカテゴリの波だったのかもしれないけれど、先週のNICE POP RADIOで「漫画とか全然読めなくなっちゃった」とか話していたのに急に読めるようになった。それに気がつくと本棚に積んでしまっていた漫画が大量にあるとわかり、それらを読んでいった。

松永良平さんから受け取った#bookchallengeのバトンが止まってしまった。7日分、7冊の本の表紙を無表情で投稿する、というものだったのだが、3日で止まりました。尾崎翠さんの河出文庫版「第七官界彷徨」とボリス・ヴィアンの詩集がなぜか出てこなくて諦めてしまったのでした。多分ひとつ前に使っていた派手なカンペールのかわいいカバンに入れっぱなしのはずなんだけどそれすら見つからない。

自粛生活に入ったときは職業的に曜日に縛られない仕事だから土日はスーパーいかないぞ、他の方々に譲るんだ、と誓ったのだが「気の緩み」なのか冷蔵庫の中を切らしてしまい、日曜なのにスーパーに出かけた。パーカーを着て部屋を出たのだが、夏みたいな天気で本当に時間の概念が抜けてしまったのではないか、と頭を抱えた。スーパーは「これが我々の知らない日曜日のスーパーマーケットだったのか」という賑わいで、少し引いた。自粛の最中というのは、実際に滅多に外にすら出なかったから、夕暮れのいつもの交差点にどんな光景が広がっていたか見当もつかない。夕飯はからあげをあげました。

冷めない紅茶

明け方、豊田道倫さんから着信があって驚いた。昔買った八木康夫氏が回していたビデオをマスターにした「実験の夜、発見の朝」リリース後のライヴをおさめたCDRのライナーを思い出す。ざっくりした内容を書くと、ある日突然八木さんから着信があることに気づき、かけ直したら八木さんが電話に出て「とても長いこと眠ってしまっていた。豊田くんからの電話がなかったら死んでいたかもね」というものだったと思う。着信で目が覚めたが電話を取りきれなかったのか、それとも取ったのだけど無言だったのか、覚えていないがとにかく僕は豊田さんに電話をかけ直した。しかし応答はなかったように思う。寝ぼけていたから記憶は曖昧だが目を覚ましたら豊田さんから「間違い電話だと思うけど大丈夫?」とメールがあった。事情を説明したら「スカートの新曲、こっちのスーパー玉出でもかかってるよ」と教えてくれた。僕には豊田さんと八木さんにあったみたいなドラマチックなことは起こらなかったけど、と少し笑ってみる。

アラームで目を覚ます。昨日と今朝の熱い余韻の中、ゲームで少し頭を動かして作業部屋で作業。別テイクのスケッチを制作して送信。そのままNICE POP RADIOのリモート収録の準備。前回の配信ライヴからほぼそのままになっていた機材の配線を少しほどいて最適なものにしていった。放送でも告知していた通り、来週は外仕事特集。客演したものや提供した楽曲をかけたのだけど、8年前の音源とか久しぶりに聴くとほんのちょっとだけ照れくさかった。2曲ぶんぐらいもじもじとしていたから少しだけ心配。

スケッチを先方が気に入らなかったらどうしよう、とうじうじしていたが事務所から連絡があり、とてもいい感触だったそうだ。心の底から安心した。安心した途端、なんだか時間の流れがゆったりしたような気がする。ゲームをしていようが曲を作ろうとしていようがなにをしていてもあっという間に終わっていた1日の感覚が、ほんの少しだけ長く感じるのだ。いつもより雑な食事だったというのもあるかもしれない。麻婆春雨とウィンナー茹でただけだったしな。何かの錯覚だとしてもいいのよ。少なくとも4月に入ってしばらくの「あの感じ」ではないのだ。これがいいのかわるいのかわからないからまだ素直に喜べないし、喜ぶにも悲しむにも参照するべきであろう感情が足りなさすぎる。

松永良平さんからbookchallengeなるバトンが回ってきた。「なるべく非マンガで」とのことで「ふふふ」となる。さあどうしよう。

はちみつの滝

作業の合間にどうぶつの森トランプマンの服を作った。これがいい具合なんだ。その後も作業はしていたがやっぱりなかなかうまくいかない。しかし昨晩の感じからは少しずつ先に進んでいる、かつて曲を作っている時のような雰囲気がした。曲に入っていける瞬間があった。日付が変わる前に事務所から催促のLINEが届く。今からでも入れる貸しスタジオはないものか、と調べるのだけどどこも22時で閉めてしまっていた。ここ一年ぐらいは曲書くときは深夜の貸しスタジオと決めていたのに、そうできないのがつらい。しかしその後、追い込んでいった結果、やっと形になるきっかけを掴んだ。思い切り歌いながら作れる時間ではなかったからか、メロディが口をついて出るのではなく、アイデアがメロディのきっかけになった。簡単なスケッチを録音して残りは明日とする。気に入って欲しいけど、今はそれ以上にようやく、本当にようやく頭が働いたような気がして嬉しい。ここからさらにいつかに戻ることはきっとない。「あの頃の通りだね」「何にも変わらなかったね」なんて都合よくいかないことはわかっている。どうやって生きていく?そう問われているような気さえする。だからこんななまけものだけど少しは気合を入れなくては、と思うのだ。でもそれはすこし、さみしいことなのかもしれないよ。

スケッチを送信、風呂をあたため、iPhoneで深夜便を聴く。今夜はテレサ・テン特集。「つぐない」を聴くと子供の頃、親族の新年会とかでこの曲を叔母が歌った、ということをなぜか思い出す。

さめないゆめ

赤毛のアンと向き合う。前回のトラウマからせめてダイアナが出てくるまで見よう、と心に決めたのだがあの心のざわざわが嘘のように消えていた。5話まで一気に見た。

仕事部屋に引き返してギターを持つ。雨も風もおさまった夜、スケッチのためのメロディがぽろっと出た。はっきり言って全然良くない。でも出ないよりはいい。先月送ったスケッチはメロディが思い浮かばず(こんなこと一度もなかった)、コードのリフとして提案をしていただけだった。2,3、そういう切り落としのようなメロディが浮かび、ボイスメモにおさまった。たぶん聞き返すことはないだろうけど、ほんの少しだけ前進したような気がする。そう考える。そう言い聞かせる。森雅之さんにお会いしたとき「なんとかなる」と言われたのは座右の銘になった。改めてその言葉を言い聞かせる。そうしてyes, mama ok?の"Hurry up!"という曲が頭の中でかかる。YouTubeのリンクを貼ろうとしたのだけど、みつかった動画が歌詞付きなのにデタラメでめちゃくちゃびっくりしたがアップした人が必死に言葉を拾ったのだろう、と思うと9 piecies of brownieのコンピ(歌詞掲載なし)買った頃のことを思い出しちゃった。

タイム

今日は昨日録音した音源とじっくり向き合う。こうやって失われた日常を少しずつ取り戻す努力をするんだ。昨日の大枠から行ったり来たりして、曲ごとであまりフェーダー触らない方が今回の選曲ならなまなましくていいな、とか、トータルにコンプかけて音を少し太くするべきか、とか、ギターに立てていたマイクとエアーで置いておいたマイクのパンをどれぐらいにするべきか、などいろいろやってたら日が暮れた。

意識的にニュースもツイッターのタイムラインも見ないようにしてるけどそれでも「敬意・感謝・絆」と言われてぐにゃんとおちこむ。乗り越えたときに「ねっ、敬意・感謝・絆だったでしょ」と言えるような人間になれていたらもっと生きやすかったんだろうな。大学生の頃とか飲み会逃げなかったと思うよ。

 

 

 

在宅・月光密造の夜 Vol.2

昼前に起きてどうぶつの森でかぶを買う。先週は友人の島で2カ所ほどかぶ価高騰があり、爆勝ち。ローンをまるっと返してしまったため、赤貧のなか、前夜にすがるように島を巡り、高そうな魚を釣っては売り、釣っては売りを繰り返し、なんとか作った40万ベルを全額かぶに注ぎ込んだ。

居間で録画が溜まり過ぎていたキスマイ超BUSAIKU!?を見て気持ちをグッと作る。ああいいな、テレビってやっぱり最高だな、と強く感じた。

14時からリハーサルをする。久しぶりに演奏する曲もあったのでその確認や、音の調整もさらに追い込む。恋人とカクバリズムのタッツにテスト配信を見てもらって、おかしなところがないか確認。配信のアプリの方でinput1と2でステレオという認識をしていたらしく、昔のレコードみたいな大胆なパンニングになっていたそうだ。危ない。そしてエアーマイクとして稼働させるつもりだったTASCAMのレコーダーはコンデンサマイクダイナミックマイクに比べてどうしてもディレイが出てしまったので録音では生かすとして、放送上はミュートすることにした。

 

あっという間に2時間が過ぎて16時開演。2曲目の「視界良好」を歌っているときにLogicを走らせるのを忘れていた、ときづいた。なんと愚かな。

 

演奏はひと月分の澱が出たような感じになった。当然と言えば当然なのだけど、結果的にいいライヴができた。でもやっぱりここでも反応がすぐ返ってこない(タイムラグという面で)、チャット画面を開きながら演奏すると気が散る、という問題は解決に至らず。時折iPhoneでみなさんのチャットを眺めていたけど、手元のiPhoneを見ながら「ありがとーございまーす」と言うのもなんだか違和感もあった。次がいつかはまだ決まっていないけど、どう改善できるかも含めてよく考えます。

https://t.co/j4yI7PYdvs

 

ライヴが終わってひとしきり魂抜けた後にスーパーに買い出しに行った。車で行ったから遠回りをする。その途中、アパートの大家さんから電話が入った。我がアパートは家賃が手渡しというかポスト投函なのだが、それを受けとった大家さんから「大丈夫なのかい?」「いや大丈夫じゃないですけど大丈夫です!」と返したのだが「言ってもこれから入り用だよ。うちなんかずっと家にいるから食費がいつもの3倍、4倍かかっている。まだ封筒も開けてないからポストに返しておくよ。払えそうなとき、連絡ちょうだい」と言ってくれた。泣ける〜!のだが、先のことを考えたとき、わたしの経済がまともに立て直るのは果たしていつなのだろうか、と辛い気持ちになったのも大いなる事実なのである。

 

カムジャ麺にもやし炒めをドカンと乗せてごまをズドンと散らしたラーメンで乾杯。少しぼんやりして今日の録音に手をつける。どうしてもポップノイズが乗りやすいため、今後こうやって配信が続くのならば、SHURE SM57ではなく58を買う必要があるかもしれない。時間はずいぶんかかった気がするが大枠だけ作ってゴミ出しに向かった。