幻燈日記帳

認める・認めない

ダムならば花

某日

2日連続で真夜中のサイクリング中に職質を喰らう。ジャージ短パンという姿が悪かったのだろう、と反省し、ジャージジーンズという出で立ちに変化。すり減っていくジーンズの断末魔を聞きながら走った。

 

某日

リキッドルームでのワンマンが発表された。スカートで最初の企画を江古田のプログレ喫茶で打ってから13年。高校の頃、ゆらゆら帝国とかの話ができた数少ない同級生の武瑠くんがやってるバンド、SuGがリキッドでワンマンやってるって知ってから13年でもあるのです。いつかはリキッドでワンマンやりたいな、とそのときに思ったのだけど、現実は丁度いいところに壁をつくり、周りのバンドがどんどんリキッドでワンマンしていく後ろ姿をみつめてきました。10年やって結局ヒット曲はなし。いろんなライヴやってきて、どのライヴも思い入れがあるものだけど、こればっかりは観に来てくれ〜と言わせてほしい。先行受付中です。

 

スカートのチケット情報(東京都) - イープラス

 

某日

夕方、久しぶりにロイヤルホストに行ってノートを広げる。12/5に決まったワンマンライヴのセットリストを考えるためだ。ヤリイカフリットとドリンクバーを華麗に決めて、自分なりのコンセプト、こう見せたい、あの曲やりたい、とかを思い浮かべ、あーでもない、こーでもない、とノートに書き込んでいく。あの曲からこの曲に行きたいけどそうするとここでこういうパーツが足りない、カポある曲だから次もカポの曲にしたい、できれば1カポ、ぶつぶつ……、集中力が完全に切れ、パフェを食べたりしながら、なんとか自分の中で一本のものにして一旦スタッフに送信。

 

某日

街裏ぴんくさんの配信を見逃してしまったことに気がついて我が身を振り返る。その過程でなぜか「エス・オー・エス」作ってるときの制作メモが目に入って読みだしたら「いままで作った曲をちゃんと録音して、レコードを作るんだ、と息巻いていたはずなのだが、気がついたらすでにあれほど暑かったはずの夏はあけていた。」と書いてあって膝から崩れ落ちた。俺は何も変わっていなかった。俺はなんにも変わっちゃいなかった。昔の私は創作意欲に満ち溢れていて、書いても書いても曲が湧いてくるような気がしていて、今の自分に少し後ろ暗い気持ちでいたのだけど、全くそんなことはなかった。ぴんくさんの配信は見逃してしまったが大切なことを知れた。みなさんにも大切なことを知ってもらいたいのでこの世のすべてが詰まっている動画を紹介します。

【ヤバヤバ先生のヤバ授業】『理科』 - YouTube

 

ついでに「エス・オー・エス」の制作メモはこちら。

エス・オー・エスの録音に関するあれこれ - 幻燈日記帳

 

 

あみ進化

某日

リハーサルに入る。ぼっろぼろ。「駆ける」の2Aとか全く覚えてなかった。自分で仕掛けた罠にかかって身動きが取れなくなるみっともなさ。リハーサルの急遽の追加を決定。本番は待ってくれない。

 

某日

恋人がM1の2回戦を見に行くというので車で浅草まで送っていく。おにぎり屋でおにぎりを食べていると調子のいい店員さんが「ふふ、完全に見た目で判断しちゃうんですけど次はどこのお店に行くんですか?」と笑いながら言ってくれた。「もうそういうのはやめにしないか」と口からでかけて、いやいや、ファニーなご挨拶じゃないか、悪気がないのはわかっているんだ、とその言葉を飲み込んで「いや、どこもよるつもりはないですよ」と笑いながら言って店を出た。恋人は5656会館へ、私は車に再び乗り込んだ。この日、私はそのまま東都レコードとか普段あまりいけないレコ屋に行こうと思ったのだ。ところがその日はとうとレコードは休業日。走り出した車は行く宛をなくし、すかっとしない気持ちだけが積もっていく。路肩に車を止めて、どこに行こうか考え、とりあえず御茶ノ水界隈のユニオンでも行こうかな、と車を走らせた。レコード屋を見るのにパーキング・メーターはうってつけの駐車場だ。1時間と時間を決めれば諦めがつく。幸い、神保町のユニオンの近辺はパーキング・メーターがたくさんあり、あたりをつけていたのだが、すべて埋まってしまっていた。ここで別の場所を選んだらもう今日は一日だめに違いない、そう思えてなんだか諦められず、何十分かぐるぐる回ってやっと車は停めることができた。肝心のユニオンは収穫なし。と言っても不思議と目が滑っただけで、本当はきっといいレコードやCDがいくつかあったはずだ。そうしてジャニス2に向かう。はじめて行った。ジャニスの遺伝子を感じて懐かしい気持ちになる。ソフトロックのコーナーに入れられていたイスラエルのCDが妖気を発していたので購入。1時間近くになっていたので車に戻る。するといつもはひどい行列のまる香の列がだいぶすっきりとしていた。おにぎり屋の人の顔が浮かんで消えた。私は車を1mほど動かし、別のパーキング・メーターに停め直し、数分後には釜玉うどんをすすっていたのだ。この日のかしわ天はまた格別なのであった。おにぎり屋の人に対して少しでも気分が悪くなった自分を呪う。その後、駅前の方に車を動かし、またユニオンへ。パソコン音楽クラブとあらきなおみさんの新譜といくつかの中古品を購入。M1の2回戦、後半はだいぶ席が空いて当日券で入れると連絡があったので5656会館に向かった。そのへんのコインパーキングに停めようかな、と思ったのだけど5656会館の軒先に「駐車場 30分300円」と書かれていたので5656会館に停めることにした。車を停め、受付の方に「車を停めたい」と言うと「17時終わっちゃうんだけど…あ、M-1観に来た方?それならいいよ」と停めさせてくれることになった。後で受付の方に直接お金を払うタイプの駐車場だった。検温、手指消毒を済ませ会場に入る。3ブロックだけ見れた。1時間とちょっと経ったぐらいで5656会館を出て、受付の方に駐車場の精算を頼むと1500円だと言われ、顔色ひとつ変えずに「はい!ちょうど……あります!」と言って5656会館を去る。恋人は「去年は行ってないからわからないけど少なくとも2年前は2回戦が一番楽しかった。プロもアマチュアも関係なく楽しめた感じがあったけれど、今年はプロばかりが強くて」と言っていた。

 

某日

仕事が一区切りした!ので積んでいたCDをリッピングしていく。パソコン音楽クラブの新譜をリッピングする際、「さまざまなアーティスト」にチェックが入っていたのでそれを外し、フィーチャリングのある曲のデータを手打ちでひとつひとつ直していく。たとえば「潜水 / パソコン音楽クラブ & 川辺素」となっていたら「潜水 (Vocal. 川辺素) / パソコン音楽クラブ」に変えていく。そういう孤独で虚しい作業をしていた。今回買っていたのに聴けていなかったCDの1枚にザ・サークルのネオンがあった。90年代の再発をCDで持っていたり、レコードでも持っている。大好きなアルバムだったのだけど、近年のCD化でボーナス・トラックが追加されていると知り、手に入れた。リッピングしたデータを聴きながら解説を読んでいると、大好きな「すてきなダンス」の項に「どこまで本気に取り組んだのか疑問が残る」と書いてあって驚く。シタールが調子っぱずれなことを具体例として挙げていたけど、ここまで丁寧に編曲、ミキシングされているのにそう思う人も居るんだなあ、と結構本気でカルチャー・ショックを受けてしまった。「トゥ・ルームス」も「あっけなく終わってしまうのが残念でならない」と書いてあり、僕はあの短さに惹かれていたから余計にカルチャー・ショック。他にも、松永さんがTwitterに書いていた「海や山の神様たち」なんかも買った。若き日の坂本龍一さんと山下達郎さんが参加した1975年のアルバム。これは昔ズーシミも薦めてくれていた気がするけどどうしてか聴かないで今まで来てしまっていたことを後悔するような最高盤でした。

 

坂本龍一/海や山の神様たち -ここでも今でもない話-

いなゃじいながうょしてっだ

某日

1年2ヶ月ぶりのバンドでのライヴに向けて、体力をつけるために真夜中のサイクリングを再開した。2日目、小雨がぱらついていて、「夏を洗い流す雨」という詩のことを思い出す。ずっと、夏の終わりのスコールのようなものを頭に描いていたけど、これだって夏を洗い流す雨かもしれない。

 

某日

仕事で八王子へ。雨が夏を洗い流すことはなく、早朝寒く、昼が近づくとカンカン照りになってしまった。帰りにグーグルマップに「レコード屋」と入れたら日野に一軒あるらしいから車を走らせ、ついてみたら店は開いていなかった。全国のレコード屋の情報が載っているRecoyaのデータを見てみるともうすでにそのレコード屋は営業していないようだった。無念。ここでおとなしく帰る私ではない、と立川の方へ向かい、珍屋へ。買おうか迷っていて早々に店頭からなくなってしまった「僕の中の少年」のリマスター盤とか、90年代のピエロ・ウミリアーニの再発盤などを買った。

 

某日

部屋で作業。最初はバンドっぽい音像にしようと思って作業をしていたけど、だんだんそうではない、となっていった時にシビアにベースやギターを弾かなければならなくなってしまった。それを何日にも渡って弾いては微調整して、微調整しては弾きなおす。「歌とかギターとかが揺れてるから納得いくテイクが録れないんだよ!」とクオンタイズされたリズムトラックを聴きながら弾いていたのだけど、それでもだめで、最終的にはそれらのトラックに加え、16分でクリック出してベースを弾いていた。いいものができている。

 

某日

街を歩いていたときになんとなく横をふっと見た。そうしたら車が停まっていて、泊まった車の窓に自分が写っている。そうして白髪が増えたな、と思うのだ。

 

訪ねてきた

某日

ドライブ・マイ・カーを観に行く。近所ではどこもかかっていなかったから池袋へ向かった。映画は面白く、ケツが痛くなること以外は時間を忘れさせてくれた。せめて外に出て曇天だったらよかったのだけど、晴天とも曇天ともつかない妙な天気だった。映画を見終わって池袋をすこしうろつく。ああ、俺のP'PARCO、ああ、俺のWE ROAD。

 

某日

散髪。早めに家を出て池袋に向かう。ココナッツディスクの池袋店に取り置きが溜まってしまっていてそれを受け取りに行った。新入荷を見ているとエレック盤のシュガー・ベイブの「ソングス」があった。そりゃもちろん高い。いつかはほしいな〜と思っていたけど、今日がその日かもしれない、なんて冗談のように思ったら胸が高鳴ってきた。ドキドキしてしまう。もし我が家に「ソングス」のオリジナルがあったら?そもそも盤が国内だろうが輸入だろうが関係ない、リイシューでもオリジナルでも聴けりゃあいいんだよ、という人間なので、どうしてこうやって「ソングス」が欲しいのか考えてみたところ、いくつかを思い出す。まず数年前に出た2枚組のリイシューの音が好みじゃなかったこと。確かにいい音。でもすりきり一杯音が入っていて、いや、表面張力のような現代的な音。それに違和感があって、結局学生時代にココナッツで2500円とかで買ったコロンビア盤や30th盤とかを聴いていた。それと、いつか誰かが言っていた「ソングスはオリジナル盤じゃないと」という発言。音楽マニアが行き着くよくある戯言のたぐいだ。「ビートルズはUKのMONO盤以外ビートルズじゃない」とか極端な感性に導かれがちだから敬遠しているのだけど、どうしてもその言葉が頭から離れていなかったのだ。だって誰も「シングルマンはオリジナルじゃないと」とか「一触即発はオリジナルじゃないと」とか言っているのを聴いたことがない。私がそれだけ交友関係が狭い、ということの表れかもしれないけれども、それほどまでに「ソングス」のオリジナル盤には魔力があるのか、と思っていたことを忘れていたのだ。そしてリイシューのアナログが「オリジナルに一番近い」と言っている人もいた。当時、あまりにもこのリイシューの音がわからず、似たような意見の人を探そうとした結果目にした意見だった。それらを経ての今のこの胸の高鳴り。たまたま金と異常な枚数のポイントカードがあったので併用して購入してしまった。嬉しくてココナッツの社長と一緒にいい顔してるぼくの写真はこちら。https://twitter.com/C_C_N_D_IKB/status/1446001803196129280?s=20

原宿に向かい、シゲルさんに髪を切ってもらう。到着するとチャーベさんもいらっしゃった!ミュージシャンにあえる機会が本当に減っていて、とっても寂しかったから本当に嬉しかった。あんまり長い時間話せもしなかったけど、このことを胸に当分暮らしていくんだろうな、ととてもいい気分になった。

 

某日

5つのうちの5つめのデモが出来る。嬉しい。何度も聴き返しちゃう。

 

某日

中野へグレイモヤを観に行く。とにかくすごすぎて頭が落ち着かない。すき家豚丼買って帰って花椒がひたひたになってる油みたいなやつぶちまけて、更には納豆までぶっかけちゃって。そうしないと気が済まないライヴだった。

ハイヤー

(「サマー・オブ・ソウル」のネタバレみたいな日記です)

 

 

 

吉祥寺のオデヲンで「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」を見てきた。若き日のスライやスティーヴィーのライヴが見れる、とものすごく気楽に観に行ったのだが、内容はヘヴィであった。音楽がそこに在る理由というのが、私の接し方では根幹から違うような気がしてしまったし、ここで語られていた問題というのがぐう、そしてたらに暮らして来た私にとってどうなっていったのか、今ある問題から察するに実は変わっていないんじゃないか、とよく勉強もしていないのに勝手に気持ちが沈んでいくのであった。特に強烈だったのはニーナ・シモン。私はこれまでニーナ・シモンをほとんど聴いたことがなく、少し前のTJNYの雑談ZOOMかなにかで森さんが話していて「聴いたことなかったな」と「ヒア・カム・ザ・サン」をつい最近買って聴いていただけだったので、かつて持っていた強烈な影をまとったシンガー、ぐらいの認識に毛が生えた程度だったのだ。黒人としてどう在り、何を表現し、何を変えていこうとしていったのか、というのが語られ、証明するように映像が飛び込んでくるような映画の終盤、ニーナ・シモンは「準備はいい?黒人のみんな 必要なことをする準備は?」と観客をアジる。「必要なら殺す覚悟がある?」「白いものをたたき潰す準備は?」「ビルを燃やす準備は?」。観客もより熱狂的になっていき、渦のようなコール・アンド・レスポンスになっていく。ラスト・ポエッツというラップの元祖のようなユニットのラスト・ポエッツのデヴィッド・ネルソンによる詩だそうだ。映画で一瞬語られ、通奏低音のように響く「分断」という言葉に思いを巡らせる。ニーナ・シモンは「黒人のみんな、準備はいい?」ともう一度問う。「変わる準備は出来てる?完璧にイケてる黒人にね」と。スクリーンを見ていた私は、それがどういう意味なのかわからなく、混乱した。しかし、最後に(白人のメンバーもいる)スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンの映像がもう一度出てきて、それで気持ちが救われた。しかし、それらの流れというのは結局、どういうことだったんだろう、ということは答えが出るわけもなく、ただ吉祥寺の街を歩くことしかできなかった。そうして角を曲がる。

シューシュー

新しくカセットが手に入ったので聴きたい、(そしてこれをナイポレで紹介したい)と思ったのだが、部屋にあったコンポのカセット機能は故障してしまっていて、それなら、と吉祥寺へカセットプレイヤーを探しに出かけた。カセットのコーナーがあったから、とHMVを覗くとIONの4000円でUSBで電源取れて、しかも編集ソフトもついてくるやつがあった。でもカセットプレイヤーって家電だろ、オーディオだろ、と思い、オーディオユニオンとヨドバシもみる。ヨドバシには手頃な価格帯ではUSBで電源がとれるものがなく、オーディオユニオンにはそもそも一台もカセットデッキがなかった。HMVに戻り、IONのやつを購入し、自宅に戻り、カセットをオーディオに変換しようと試みる。イヤフォンジャックからミニフォンのケーブルを刺し、それをそのままオーディオインターフェースに刺すのだが、まったく音が来ない。古いケーブルだもんな〜、いつ買ったんだこれ、多分4TR埋めたやつをミックスして、MDに書き出して、そのMDの音源をまたMTRに戻すために使ってたりしていたから、きっと高校生の頃だろうな。もう15年前か〜、とか言いながら別のケーブルを探す。そうしたらそれも音が来ない。不審に思って普通にイヤフォンを刺してみたらそちらは普通に聴こえる。そんなに断線したケーブルばかりが私の部屋にあるのかね、と悲しくなったので意を決して普段Macの音をミキサーに繋いでいるケーブルをむんずと引き抜き、刺してみたのだがそれもだめだ。どうやらステレオピンジャックとイヤフォンジャックでは規格が微妙に違うらしい、ということがだんだんわかってきた。すべてが無駄になった、と気づいた頃にはもう遅かった。

 

レコーディング。頼まれもの5連発(既発表はそのうち、2)のうちの4のRec。久しぶりの青葉台。11時からはじめて早めに終わるつもりで作業を開始。4時過ぎた頃にはベーシックは録り終えていて、5時過ぎにはもうみんなで食事を囲んだ。スムースに進むだろうな、と思っていたのに、残ったギターのダビング、ヴォーカルを録り終え、車に乗り込んだら夜の3時になっていた。歌録りに少し難航したぐらいであとは特に時間かかった箇所なんてなかったのに!久しぶりに朝から晩までスタジオに居た。

夢の裏側

10/1のラジオ父ちゃんのまーごめ、運良くチケットが取れていたのだけど、自分のまーごめと予定がまーごめしてしまい、周りで真空ジェシカとママタルト好きなひといたかな〜と思いを巡らせ、思い浮かんだまーごめのまーごめくんがまーごめだったはずだ、と連絡したら予定もまーごめで、チケットをまーごめせずにすみました。まーごめ。

 

定期的に古い知り合いが今どうしているか気になって、検索しているんだけど、去年逮捕されていたことがわかった。それまでは生きているかどうかもわからなかったから、とりあえず生きてはいたんだな、と思って少しホッとする。生きていればいいことある。

 

どついたるねんMV 生きてれば - YouTube

 

新曲のタイトルがまったく思い浮かばない数日間を経て、ようやく草案のようなものが出てきた。しかし、これでいいのか、念の為に検索してみたらめちゃくちゃスピった人のブログがヒットした。さあどうしたもんか。