幻燈日記帳

認める・認めない

足りないのは砂糖菓子だけではない



ヤフーオークションコロムビアが作っていたエレピを落札した。
あまり高い値段ではない。この値段でエレピが買えるなら素晴らしい事だ。
その上、私は商品説明の欄にあった素晴らしい文言を見逃していなかった。
「直接取りにきたら2割引」
高い値段ではない、とは言ったものの少し勇気の要る買い物だった。
なので2割引きはとても有り難い。
さらにとても大きいものなので送料がいくらになるかなんて想像もつかなかった。
ので、すぐ取りにいきます、と連絡を入れて、
翌日、実家にある軽自動車を走らせ千葉まで向かった。
高速に乗って銀座のあたりが少し混雑していたので1時間近くかかってしまったが、
道さえ空いていればもっと近く感じただろう。
近くの駐車場に車を止めて出品者さんのお宅を訪ねる。
話もそこそこにエレピを車に詰め込み、簡単な説明を受ける。
とても気さくないい人だった。
話を聞くと、事情があって手放さなきゃならなくなったから出品したけども、
梱包とかどうやるんだろう、と悩んでいたので、
直接取りにきてくれて助かった、と言われた。
僕は2割引きでラッキー、出品者さんも梱包の手間が省けてラッキー。
これほどまでに見事なWIN-WINの関係は久しぶりだった。
浮き足立つあまりタイヤすら3mm地面から浮いてるんじゃないか。
シャッフルで流しているiPhoneも好調。
そのまま現住所にピアノを持ち込み電源をいれる。
ぽろんぽろんと音をならす。畳の部屋には不釣り合いな音色だ。
面構えもよく、音色もいい。
もっとピアノを弾けるように触れるときは触っていきたい。
20分ほどでピアノの前から立ち上がり、また車に乗り込んだ。
軽自動車を返却、そのまま一泊。
仕事がほどほどに詰まっているので昼過ぎには実家を出た。


バスに乗り込みハードオフの前で途中下車。
なにか呼ばれた気がしたのだけれどもなにもなかった。
レコードコーナーにはレッド・ノーヴォとかタル・ファーロウとか、
僕が高校生の頃に出逢ったレコードがたくさんあって不思議な気持ちになった。
途中下車してしまったので成増の駅まで歩いた。
その道中、個人経営の電気屋を発見。すぐ入店。
訊くのはひとつだけ「ハイポジのカセットありますか?」
カセットMTR用のカセットがそこを尽きてしまったので、
新しいのを探しているんだけれどもなかなかない。
そこで個人経営のお店を見つけると必ず入るようにしている。
だが、今のところ成果はあがっていなかった。
今回もないかなーと思ったら店主が店の奥から新品のメタルテープを2本持ってきた。
値札には560円と打たれている。
高い。そもそもカセットMTRにメタルテープってむかないんじゃなかったっけ。
でもせっかく探してきてくれたんだから1本買います。と言うと、
「2本買ってよ〜」というのでじゃあ買います!と千円だそうとすると、
「200円でいいよ」と言ってくれたのでお言葉に甘えて200円払って店を出た。
袋にも入れられなかったのでパーカーのポケットに突っ込んだ。
新品のメタルテープが…ポケットの中に…2本!2013年に!
と状況を整理したら突然おかしくなってきた。わははは。声に出してしまいたい。
坂を下りながら、車が横を通り過ぎていった。