幻燈日記帳

認める・認めない

坊主憎けりゃ水までうまい



引っ越し!引っ越し!引っ越し!1ブロック先の引っ越しをなめてました。片付かない部屋、重い荷物、荷物を持つと意外と遠い1ブロック先!「引越し業者に頼むとお金かかるじゃないですか〜」と40型のレグザを買ったりしていた自分を責めたい。しまいには友人に泣きついて引っ越しの協力をしてもらっています。自分で荷物を箱詰めしていくとなると「う〜ん、2013年はこういう感じだったのか〜」なんてノートを眺めはじめたり、「この雑誌はいるかな〜いらないかな〜」で20分経っていたりするので、ポンポンと段ボールに詰め込んでくれる友人は本当に心強い&申し訳ない&情けない&恥ずかしい。
あまりにも作業の先が見えず、とても暗い気持ちになる。(望まない形で)乱雑な部屋の机で適当にやり過ごすための食事を摂っていたら懐かしい友人のような顔でゾーッとするような(もしくは漠然とした)不安が押し寄せてきた。このままでは良くないよ!と旧居に戻りムンズとレコードの段ボールを抱え込み、アンプもスピーカーの移設も済ませ、まだすべての段ボールを開けないうちにたまたま目に入った細野晴臣さんの『Heavenly Music』に針をおろすことにした。購入当時、あまりに素晴らしくて何度も何度も繰り返すのではなく、今日は特別だから、という意味合いを持たせて聴くレコードにしていたのだった。だから何度も聴いてしまってすべての音を覚えてしまっているようなレコードではない。針をおろす度に新鮮な感動が押し寄せるようになっているのだ。そしてこの日もそうやって助けられてしまった。ブーンとベースがなって、まだ音楽がかかったことがなかった6畳間に響き渡る。少し笑って丸椅子に腰掛け、机に肘をついた。この引っ越しがまだ見捨てられていない(祝福されているような)気がするのは、梅雨だというのにまだ本格的な雨に見舞われていないからなのかもしれない。旧居を引き払うまで、あと4日。