幻燈日記帳

認める・認めない

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暑い日々が続く。何が正しくて何が間違っているのか。判断能力がぐんぐん下がる最高気温35度の東京から最高気温40度の名古屋へ。ミツメの川辺くんとのツーマン、そしてオープニングアクトにはジョセフ・アルフ・ポルカのてんしんくん。名古屋のハポンは思い入れのある場所だ。10年ぐらい前、友人たちを介して教えてもらったスティーブ・ジャクソンやジョンのサン、THE ACT WE ACT、小鳥美術館などはすべて名古屋のバンドで、よく聴くライヴハウスの名前としてK.Dハポンはあった。スカートも何度かライヴをしたことがある。前回やったのはミツメの「ささやき」ツアーだったな。天井が高い場所で、リハーサルの時は独特のバランスに苦労したのだけど、人が入るとすべて落ち着いて気分良くライヴができた。ハポンに難点があるとすれば楽屋がない、ということだ。我々は久しぶりの土地に戸惑いながら、ようやく冷たいコーヒーと椅子と空調を手に入れ、出番を待った。開場時間になり、マネージャーとスタッフは会場へ。川辺くんとはとりとめもない話をした。会場に戻るとてんしんくんがライヴをしていて、不思議なムードになっている。カシオトーン弾き語りで、画素の低い音像とうなだれたように歌うてんしんくんが印象に残った。自分のライヴが終わると、汗だくだった。近くに停めていた車で着替え、戻った頃にはもうとっくに川辺くんのライヴが始まっていた。川辺くんは特異なソングライターだというのを実感し、そしてミツメというバンドの稀有さも痛感する。とても胸に迫るライヴだった。ライヴを終えて知り合いの方から「これ、メジャーデビューのお祝いに」となんと「靖幸」の未開封カセットテープを頂いた。マジかよ!と川辺くんと盛り上がる。悲しいことに車のカセットデッキは壊れていて帰宅時に聴けなかったのが悔やまれる。味仙さえ飽きてしまった悲しいバンドマンの我々は浜名湖のSAに寄り、悲しい夕食を摂った。「餃子が名物なんですよ。5個で540円ですけど、野菜たっぷり盛ってます」みたいなツラしやがっていたけど実際注文してみたら、もやしが30本ほど添えられているだけだった。つれえ。助手席に座り、マネージャーの運転に運ばれてほとんどの行程を眠ってしまったのだった。なんとなくCDRに焼いた曲にキリンジの「YOU AND ME」がかかる。なにというわけでもないんだけど、とても思い入れのある曲で環八を走った夏の夜だった。