幻燈日記帳

認める・認めない

待ち合わせ場所から近くの茶店まで



NHKでの生放送が終わり、事務所に寄って(マネージャーが)機材をおろす(のをただみるだけ)。肉体労働の徒然を彼が若さをもって対等に渡り歩けることをいいことに甘えてばかりいる多少の罪悪感を「運転しますよ」の一言をハンドルを握ることで沈め、そのままマネージャーを送った。昼間の夏はどこかへいっただろうか?クーラーを切ると暑く、クーラーを入れると少し肌寒かった。


深夜の環八で急に豊田道倫さんの音楽が聴きたくなって全曲シャッフルにした。「sweet26」「10月の雨」「グッバイ・グッバイ」と弾き語りの寂しい歌が続いて2006年のライヴ音源で構成されたCD-Rからテレキャスター弾き語りの「五体満足」がかかってスイッチが入る。「ROCK'N'ROLL 1500」での緻密でルーズな宅録音源からは想像もつかないような破れた演奏を僕は12年前に見ている。先日、リキッドルームで弾き語りをやったとき、自分でも驚くほど会心の演奏になったけれど、その時頭に浮かんでいたのはあの頃の豊田さんだった。とても調子よく演奏していた反面、なにかに取り憑かれてしまって最後の「静かな夜がいい」では息が続かなくなってしまったけど、あのまま今までで一番の「静かな夜がいい」をやっていたら帰ってこれなかったかもしれないね、と考えたりしている。ポップ・シンガー豊田道倫の背中はまだ遠い。