幻燈日記帳

スカート・澤部渡のせつないまいにち

みずからとおいほしをめざそう

10/8

気まぐれに任せて車を走らせ、埼玉にあるうどきちといううどん屋にうどんを食べに行った。1時間車を走らせてたどり着くのは地続きなのに全く知らない、予想もつかなかった街で、たとえば助手席に座った恋人に鈍器でぶん殴られたあとに「ここが香川」だよ、と言われたら信じてしまうかもしれない、なんて思った。

スーパーもち麺みたいな名称の麺があって、それが気になって来て、実際に食べて、実際においしかったのだけど、あまりにももちもちしていて今食べているものは果たして本当にうどんなのか?と変なスイッチが入り、頭がおいつかなくなり、こんな妙な負担がかかるなら普通のうどんにすればよかった!と思ったけれども、気持ちが落ち着いて最終的には食べてよかった、と思えました。

せっかくだから、と近くのレコード店にも寄ってみよう、と新所沢のレコード屋を目指す。駅前の古いレコードショップをしっかりと見る。最終的には7インチは目が滑ってしまったので諦めた。新品のコーナーもあって見ていくといわゆるデッドストックまつり。確かに定価で探してるひともいないかもしれないけどour hourのアナログが2作ともあり、さらにはyes, mama ok?のコーラスでもおなじみ、YOKOさんの12インチまであった。出ていることすら知らなかったので喜んで購入。中古では浅川マキさんの「流れを渡る」、最近きれいな状態のものをめっきり見かけなくなった「LINDBERG 9」初回などを購入。新品CDのコーナーには新品で探していたけど結局見つからず中古で買ったプリファブの「スティーヴ・マックイーン」のレガシー・エディションが転がっていて変な声が出た。

 

10/9

ゲストが来るのでNICE POP RADIOが2月以来久しぶりのスタジオ収録。あゆくんがゲストで来てくれた回はZOOMでの収録だったけど、ZOOMでの収録だと音はモノラルになってしまうし、音質も悪くなってしまうのでお互いにききながら「さいこー」とか言えないのでとても嬉しかった。

いつもだったらスタジオ・ライヴがあるときはギターを積むから車で、なければ電車で向かっていたのだけど車で向かった。下道をとろとろと走り、麻布十番近辺に着いた。収録スタジオの真ん前にある駐車場は放送が始まった頃、打ち止め3000円だったところ、少なくとも前回まで3500円だったのに、その日行ったら4500円になっていた。これは何を意味するのだろうか。少し歩いた坂の上にある駐車場が運良く空いていたのでそこにとめてスタジオに向かう。ディレクターの大和さんと感動の再開を果たし、3月に食べたきりの阿闍梨餅で乾杯。ゲストは藤原さくらさん。ポール・マッカートニーのお互いの好きな曲を聴いていく、というシンプルが故に濃い内容に。(今週放送なので今読んでる人はradikoでNICE POP RADIOと検索してください。)収録が終わってナニワヤに寄ってお惣菜買ったりたっかいたまご買ったり水だこのおさしみ買ったりして再び帰る。ハンドルを握っていて「どうしてこの車に屋根がついているんだ」と思ったりする。

 

10/14

散髪。原宿へ向かう。友人とLINEしていて「もう徹底してマスクして家帰ってきたら風呂はいるようにしてあんまり気にしないようにしてる」と言っていたので意を決して電車に乗った。6月に散髪したぶりの電車だったし、PASMOへのチャージは3月ぶりとかだと思う。あれからどれぐらい時間が経った?という当たり前のことが目の前を数字になって通り過ぎていく。

前に電車に乗ったときはほぼすべての窓が開いていて、大江戸線のようなけたたましい音をたてていたけど、その日乗った電車は一部の窓が開いているだけだった。他の電車もそうだったので、そういうことになったんだな、と気がついた。6月と違って本を読むことができた。些細な違いにこそ、希望を見出したい。

昼前だったからなのか閉店してしまったから7日多くシャッターが下りている竹下通りを抜けてtete coquetteに。シゲルさんにいつもどおり良くしてもらった。人の少ない裏原宿を抜けて表参道の交差点の方に出る。HIGASHIYAで棗バターをお土産に買って、前から行ってみたかった鳥政でランチを食べ、恋人のためにお弁当も包んでもらった。表参道から丸ノ内線赤坂見附で乗り換える。ああ、しろたえも寄りたかった、と思いながら新宿三丁目で降りた。ユニオンをいくつか回る。本館の地下では店に入ったときにMagic, Drums & Loveがかかっていて、そこからシャムキャッツカーネーションとBGMが変わっていった。とても素敵な気持ちで棚を見ることができた。東京ブルースブレイカーズのLPをようやく購入。エレベーターで上にあがってオルタナ、ロックのフロアーを見ていく。前にばるぼらさんもツイッターで言っていたけどゲンスブールのCDの中古が今割と底値に近い気がして、以前輸入盤で買っていた「メロディ・ネルソンの物語」を日本盤で買い直したり、ポールの「ファイン・ライン」のシングルを買ったりした。らんぶるでパフェを食べながらぐったりと休憩をする。まるで懐かしい休日だ。休日のように振る舞うことにより、なくなった本当の平日が取り戻せないか、と紀伊国屋を覗いたり、ユニオン中古センターを見たりしたけど、ロックのフロアーでメタルがかかりだして「今、ここにいてはいけない」と言われた気がして、すぐに店をでてしまった。

 

某日

某撮影で有明に向かう。10月の海は想像以上に寂しくて、想像以上に寒かった。カイロも買ったしおでんも食った。多分驚いてもらえる案件です。チョー楽しかった。

帰り道、突然スイッチが入り、アジアカレーハウスに車を走らせる。そしてその道中、東陽町を走っていると気がついてダウンタウンレコードに寄って、店主おすすめのレコードを買った。そこから錦糸町に向かい、カレーをオーダー。テイクアウトしたカレーは助手席で薫っている。シャッフルでフリッパーズ・ギターの「スライド」という曲がかかった。メロディと言葉とアコーディオンが重なってすごい気持ちになる。どうして今、雪が降っていないんだろう。

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10/17

サウンドハウスのポイントの期限が切れたことをタッチの差で知る。スーパーで買い物をしていたら鼻の奥になにかひとつ言葉が投げかけられたならそれは冬が来たということだ、と気がついて泣いてしまいそうになった。