幻燈日記帳

認める・認めない

枯れ葉の匂いがする(気がする)

某日

 

仕事で作っている音楽の録音作業をミックスしているATLIOの別のブースでやらせてもらった。相手のオファーになるべく答えられるように、といろいろやっていく。その中で、スタッフとのやりとりで「コーラスとか入ったらいいんじゃない?」と書いてあったので今までまともにやってこなかったけど3声のコーラス、いっちょやってみっか、と取り組んで見る。最初は思いつくままにふがふが言いながら録音していった。素描のままで組み立てられたらそれが一番いいよね、という甘い考えを抱きながら格闘するも、やっぱりうまくいかなかった。ちゃんとラインを決めなければ、と打ち込んでいく。同じトラック上にメロディを打ち込んで、さあこれを参考にやっていくぞ、と録音を開始したのはいいけど3声同時に打ち込んだメロディがなるので何がなんだかわからなくなり中断。3トラックに分けて打ち込み直し、それをそれぞれ聴きながら録音してみた。ところが自分が歌っているラインが見えづらい。バックトラックが厚すぎたのだ。ようしわかった、とバックトラックを一度全部ミュートした。打ち込まれたメロディだけを参考にしてひとつずつ録音していく。「One Two Three Four」と心のなかで唱えてから録音ボタンを押し、歌い終わるたびに「Do It Again」と言って再生していく。うん、こんな感じ。とバックトラックのミュートを切ってバックトラックと合わせてみると全然ピッチがあっていないのだ。とても落ち込んだ。私は一塊のシンガーソングライターだからヴォーカル補正なんて出来ない、私にはコーラスの才能がない、とメソメソしたのだけど最近「ル・ポールのドラァグ・レース」をNetflixで見ているので簡単に諦めない、おそすぎることはない、やったるんだ!と一念発起。ギターとベースのトラック以外をミュートしてまた声を重ねていく。補正をしない道を選んだのならきれいに聴こえるまでやるまでよ、とどんどん声を重ねた結果、たった8小節のコーラスを(それも決して完璧とは言えないんだ!ああ!)つくるのに3時間ぐらいが経っていた。私はヴォーカル補正ぐらい出来たほうがいいのかもしれない、とも思ったのだが、「One Two Three Four」「Do It Again」と唱えてしまったものだから仕方がない。

Don't Talk / Beach Boys (unreleased chorus snippet) - YouTube

 

某日

窓を開けたら枯れ葉の匂いがした気がしたし、風呂を洗うとき無意識にお湯にしていたから冬です。

 

某日

 

最後のミックスデータの確認を終えてスタジオに出ると、用賀の空は晴れ渡っていた。とっても素晴らしい気持ちになった。