幻燈日記帳

認める・認めない

数は重要ではない

やらなきゃいけない仕事を棚に一旦あげて、風通しをよくしてから取り組みましょ、っていうわけでPCとテレビの前を行ったり来たりする。先日のライヴのエアー録音とライン録音を松田さんから受け取り、それを夜通しミックスした。

昼過ぎまで眠ろうと思ったのだが、午前中の郵便に叩き起こされた。ミックスの最終チェックを進めて、特典でメンバーに共有したリハーサルとしての弾き語り音源も添付……と思ったらやりたい形のボートラ扱いにはできなくて、妥協案としてテキストファイルにリンクを忍ばせる、という方法を取ることになった。だったら、とライナーノーツを書いた。落ち着かない心のまま、先手先手で洗濯機を回す。その合間にもう一度音源をチェックして、文章をチェックして、なんとかリリースにこぎつけた。ライナーや日記でも書いている通り、リハーサルができなかったライヴだから穴だらけ……になると思いきや、そりゃもちろんうまく歌えなかったところやコードがもつれたところはあるんだけど、そうじゃない部分ってあるじゃない、っていうことを残したかった、っていうことをライナーノーツにも書いたから一応添付しておきます。そのさらに下にはリンクも貼っています。BandcampFridayという奇祭があるんですけど、これはBandcampがこの24時間だけは手数料も取らずバンドにそのまま渡す、という催しです。去年を生きながらえたのはこのBandcampによるものが大きいっす。圧倒的感謝。日記に書いても急いで触れない人が多いだろうけど、いつであろうと聴いてもらえることはうれしいことっす。よろしくおねがいします。

 

この日の演奏はやぶれかぶれであり、誠実であり、私はとにかく楽しく演奏することができた。”MC1”で話していたメッセンジャーバッグの件で傷ついた心をファニーなものへと昇華できたのもよかったんだと思う。終演後の楽屋でカクバリズムの角張社長とタッツこと仲原くんに「今日の録音、次のライヴまでの期間限定とかで販売するのいいかもしれないね」と持ちかけ、ノってくれたのも嬉しかった。ライヴ盤はもともと「ある日の記録」という側面が大きいものだと思うが、今までスカートがリリースしてきたライヴ盤は(言葉が難しくて語弊があるかもしれないけれども)「スカートというバンドがこういうことを積み上げていった結果(ないしは物語)」みたいなものと捉えることが多かった。でもこういう演奏をした、ということを残しておきたい(ならば期間限定でなくてもいいのでは?とも思うのだけど、勢いある演奏を勢いよくリリースするにはなにかひとつそういうムードが欲しかったのだ)、と思えたのは2012年7月25日、渋谷WWWでの「月光密造の夜」以来かもしれない。これは2022年1月29日のスカートの記録です。

 

s-k-i-r-t.bandcamp.com