幻燈日記帳

認める・認めない

魔物とけもの



アラームをかけないで眠って起きたら11時だった。
決して悪くない。好タイムだ。
居間に降りると同居人が作業部屋で昼寝をしていた。
2階は暑いが1階はいい風が入ってくる。
それでも少しぐだぐだして13時前に家を出た。
むわんとした熱気と涼しい風。もうすぐ夏がくる。
夏は嫌いだけどなぜか少し浮ついた気分になってしまった。
吉祥寺まで自転車を走らせる。
駐輪場はどこもいっぱい。出庫する自転車を待って入庫。
中央線に乗り込んで鞄に忍ばせておいた漫画を手に取った。
萩尾望都さんの「ケーキケーキケーキ」という作品。
原作つきなのでいままであまり熱心に読んでなかったが、
読み返すなら今だろう、と思い立ち、家を出る前に鞄にぶち込んだのであった。
これを読んだ20歳前後の頃は可愛い話だぐらいにしか思っていなかったけど、
ときどき残酷な面が顔を出す。
あたりまえのスリルではないのだけれども、とてもいい気持ちで読めた。
この漫画があって後々の「毛糸玉にじゃれないで」とかに繋がるのか、
なんて納得もいった。
ポーの一族」も「トーマの心臓」も好きだけど、
今、もう少し「毛糸玉にじゃれないで」や「精霊狩り」や、
三月うさぎが集団で」や「キャベツ畑の遺産相続人」が読まれて、
話題になってもいいのに、と少し思っている。


電車は滑らかに進んだ。
ときにとても滑らかとはいえないようなブレーキを経て、
私は御茶ノ水の駅で降りた。
儀式的にユニオンを覗くと細野さんの新譜が出ていた。
もちろんアナログで購入。3990円のLPをわなわなと泣きながら購入。
どう考えたって高い。でも小鐵さんのカッティングでしょ…
とぶつくさいいながら買いました。
それにくらべてceroの2枚組2800円っていうのは本当に凄い事だと思います。
駿河台の坂を降りて小川町の交差点に…
私のあいするうどん屋、まる金は今月末で閉店になってしまいますので、
今日はこれをメインにわざわざ練馬区から千代田区まで出てきた訳です。
もうすぐお店がしまってしまうのでもうちょっとぐいぐいと通いたい。
今日のメニューはかま玉うどんでした。
靖国通りを歩いてコミック高岡で成年コミック雑誌を2冊購入。
そのまま御茶ノ水方面へ向かう途中の楽器屋に寄り道。
25万ととても高価だけれどもとてもいいギターがあって本当に欲しくなったけど、
いろいろ考えて、店員さんにも押しに押されて、
買ってもいいかもしれない、これは投資だ、なんていいそうになった時、
「すんません、ちょっと冷静になってきます」と奇跡的に言い出せて、
マクドナルドでマックシェイクちゅーちゅーいわせてたらやっと落ち着いた。
確かにいいギターだが一目惚れでギターが買えるほどの余裕はない。
ローンの金利0%のサーヴィス中だというがローンはできれば組みたくない。
そもそもあのギター、もうちょっと安くどこかで買えないかな。
ヴィンテージだからきっとそれぞれの印象も違うんだろうけど…
いやいや、それでも、それでも!もうちょっと様子はみなきゃならない。
となって、楽器屋に戻る事はなく無事に中央線に乗る事が出来た。
吉祥寺のヨドバシでCDRとケースを購入。
家に着く頃にはだいぶ陽も傾いていた。
それからPCをひらいてtwitterを見てみると、
30万円の現金がそのままアイドルの握手券になる、っていう画像を見てしまった。
その発言をした人は「周りにもっとお金つぎ込んでるひといるんでまだまだです」
ということをいっていて心底落ち込んだ。
248,000円のエレキギターを買おうか買うまいか悩んで、
ローンを組む勇気もなく我が手元をすり抜けていったあの素晴らしいギター…
(ちなみにそのギターはgibsonのES-125Tというものでした)
悲しい気持ちをガラナで流し込み、
CDRを焼いてそのまままた自転車にまたがりココナッツへ納品。
結構話し込んでしまい、夕飯を食べ終わったのは11時ぐらいになっていた。
風呂に入り、眠る支度を整えてから、細野さんの新譜に針をおろしましたとさ。
柔らかいソファがより柔らかく感じました。