幻燈日記帳

認める・認めない

ラ・vy

某日

打ち合わせで広尾に向かう。車で行こうかとも思ったけれどもクタクタで運転する気力がない気がして電車で向かい、帰り道にインスタント・シトロンのアナログを買いに渋谷のタワレコに寄り道。これまで聴いたことあるツラして実は聴いたことがなかったスリッツのファーストが廉価盤で再発されててそれも購入。渋谷のツタヤにブランクスペースのサイン本、ないだろうけど一応見たらやっぱりなくてそのまま井の頭線に乗り込んだ。神泉つくまで電波届かないこの感じ、忘れてしまっていたよ。バスを乗り継いで帰宅。

 

某日

ブランクスペースの最新の更新を読む。ショーコとスイのテツヤをめぐる接し方の違いで「見えてる」「見えてない」の差がこうでるのか、と当たり前のことなんだけど、そこにスイとテツヤの孤独がものすごい濃度で襲いかかってきて感情がぐちゃぐちゃになる。でもその孤独がテツヤが出てきたからの突然の孤独じゃなくて、1巻からの地続きで、また分断でもあって、すごすぎる。

 

ブランクスペース - 熊倉献 / #11 見えない | コミプレ|ヒーローズ編集部が運営する無料マンガサイト

 

某日

ナイポレの選曲でルイス・フューレイの"Top Ten Sexes"を入れようか迷って外した。この決断自体はよかったと思うんだけど、何度目かのルイス・フューレイ最高期が訪れてしまった。手放したレコードがやっぱり魅力的に見えてくる現象にも近いのかもしれない。ずっとデータでばっかり聴いてたルイス・フューレイ、っつーか"The Humours Of Lewis Furey"のレコードに針をおとす。閉店する少し前の阿佐ヶ谷のRAREで買ったのだ。(90年のCD化のやつしか持ってないけど)、レコードの方が猥雑でぐっときちゃう。溝が内側にいけばいくほど猥雑になっていく感じがたまらない。

 

某日

ワクチンも2回打って、仕事の修羅場もひとまず抜けたからついでかけてしまうようになってしまった。でも街に出ると今でもギョッとしてしまう気持ちがまだあるし、それなら家でじっとしてりゃよかったじゃん、っていう気持ちにもなり、やっぱりまだ整理がつききらないときもある。それでもグレイモヤβを野方へ観に行く。まだ名前も知らないような若手を何組も見て、「ほほう、こういう若い人たちが出てきたんだね…」と斜に構えてみたりする。βだから若手を楽しんだ方がいいのだろうけど、この日の赤もみじは別格。ネタもバチっとキマった上で、村田さんが「かわいい!」と絶叫したときに会場がうねるような反響があがってさらにウケるというちょっと見たことないぐらいの気持ちよさだった。やめられね〜〜〜〜 終演後、先輩ミュージシャンから電話がきて嬉しい気持ちになる。

 

某日

先日のサラリーマン川西の夏のボーナス50万争奪ライヴで噂はきいてたけどはじめてみたダウ90000がやっぱり素晴らしくて(おれはもうザクセスに足を向けて眠れない。)、「旅館じゃないんだからさ」をリセールでチケットが運良く取れて渋谷に向かった。普段、「なんだこれ、どうなってるんだ、どうなってくんだ」みたいなのばっかり見てるから、長い時間の中、整理されているのに程よく混沌としていて、それぞれの行動に理由がある、自分の中ではまったく新しいものが見れてとても興奮した。

 

某日

インスタント・シトロンの「ユトレヒト・アンド・マエストロ」を買ってきたレコードで聴く。インスタント・シトロンの再発に寄せたコメントでも書いたけど、池袋のタワーのどこの試聴機の何番にこのアルバムが入っていたか、ということを今でも思い出せる。免許を取って何度目か、父親の車を借りてでかけたとき、"Le Monde Avec Le Luisant"がウインカーのテンポとまったく一緒でとても驚いたことも思い出す。音楽がどうこう、というのはまず当たり前で、それに付随して私が何を見たのか、ということは、私にとってとても大切なのかもしれない。

 

instant cytron retrospective 1995-2002