幻燈日記帳

認める・認めない

パンジーだけが花

某日

姫乃さんと落ち合い、「僕とジョルジュ3」のヴォーカル録音。いいのが録れた。ちょっと変わったメロディを書いてしまったので録音も2日ぐらいかかるかな、と思っていたけど3時間で終わった。ふたりして拍子抜けする。

夜はラッキーオールドサンとのライヴ会場でなぜかお誘いを受けたトンツカタン森本さんのブチ切れデトックスへ。あぁ〜しらきさんが出てきてトークテーマがかかれたサイコロを振って、どれが出ても同じ話しかしない、など、本当に悪夢のような内容で最高だった。僕ジョルの録音と地続きかもしれない。

 

某日

慶一さんと優介とラジオ出演。しかし、先にK-PROのライヴ、行列の先頭のチケットを取ってしまっていた。この日の「行列の先頭」はランジャタイ、錦鯉、真空ジェシカといったM-1ファイナリスト凱旋もあれば、アルコ&ピースもいて、さらにはママタルトやダウ90000まで出る。しかも渋谷公会堂だ。これをどうしても見に行きたい、この日のために俺は頑張ってきたんだ、と野田マネージャーに相談。結果、超巻き巻きでの収録になった。しかし話は相変わらず濃いです。お楽しみに。

優介に「あんた……」と呆れられながらも見に行った「行列の先頭」は最高だった。お祭りムードの中、全組がきれいにホームランを決めていて胸がスッとした。

 

某日

昼。ナイポレの収録でムーンライダーズ岡田徹さんの作品をかけて、次の曲聴いてたら岡田さんから着信があった。やだ〜シンクロニシティじゃん〜。

三鷹で打ち合わせを一本。普段あまりない場所での打ち合わせになんだか気分もあがった。23区を出た打ち合わせなんて今まであっただろうか。打ち合わせを終えて帰宅する途中、ふらっと車を吉祥寺で降りる。とても天気がいい。「青空のかなしさ」というのはなんの言葉だっただろうか。あすなひろしの漫画を指しての言葉じゃなかったか。思い出せないけれども、まさにそういう青空。私は街を歩いた。すっかり元通りにもならず、日常が逆転してしまった。あの頃、そうなるだろうな、とうっすら思っていたような未来になった、と思いながら信号を待つ。

 

某日

真夜中にビッロビロのボーダーでゴミ出ししてたら突然声をかけられる。どうした!と思ったら、僕も最近聴いていてかっこいいと思っていた年下のミュージシャンだった。話をきくと、本当にすぐ近くに住んでいるそうだ。連絡先を交換し、「ファミレス行こうよ」などとキャッキャする。

 

某日

シティポップのラジオの収録のあと、整体に向かう。2年近くぶりだ。体調もメンタルもヤバかったので青柳くんに見てもらった。施術が終わったあと、それまで脳がなんとかごまかしていた体中の痛みを感じることができた。

施術終わりで新宿をうろつく。駐車場の向かいにあった立ち食いそば屋に入ってしまう。どうした俺。日中、レコード屋に寄っても欲しい物がなかった虚しさをデパ地下で発散できないか、と新宿に寄ったのだった。ルミネエストにできたタカ吉田氏のお店にも向かう。ルミネだから久野遥子さんのアニメーションが流れていて本当に嬉しい気持ちになる。いやなことがあってもこの光景が見れるだけでも頑張れそう。ちょうすてき。タカ吉田氏のお店はテイクアウトやってなかったので諦める。なぜならそば食っておなかいっぱいだからね。テイクアウトは来月から始まるそう。紀伊国屋のコミックフロアに行っていくつか買い物。手にとっては戻す。「エロマンガベスト100」という書籍のポップとして、店員が兄の書棚にあるハードコアエロ漫画家(あえて伏せる)の本を見つけて兄を見る目は変わったが、時間が経って今なら兄弟だったと判る、といったことが書いてあって、つい買いそうになったが、私が成年漫画に求めているのは「ベスト100」と言った概念にはないような気がする、と見送った。

 

某日

ダウ90000のライヴを見に行く。「なんか面白そうなお笑いのライヴがあったら教えてよ」と社長がいうので、ダウ90000のライヴを薦めたらチケットを取って来てくれた。内容はあまりにも素晴らしく。ネタバレがあるからあんまり言えないんだけどあのネタ、このネタ、ヤバすぎるっしょ。あるネタに至っては終わって天井見ちゃった。社長も大変刺激になったそうでブチ上がって解散。坂を下り、東急の本店に向かう。佐賀の白山文雅というカレー屋がきているのだ。バナナマンのせっかくグルメでハナコの菊田さんがとんでもない表情をしながら食べていたのが印象的で、半年ぐらい待って取り寄せて食べれていたのだけど、せっかく来ているなら、と妻とふたりで食べた。私は牛テールのカレーで、妻は森のきのこカレー。とても美味しかった。寿司屋の居抜きもいいけど、いつか現地に行きたい。

 

某日

レコード屋から帰ってきたところを大家に目撃され、「それ何?」と訊かれる。「えへへ、レコードなんですよ」。「今はやってるもんね〜」「昔いっぱいあったけど全部手放しちゃったよ」「この街にも昔、2軒レコード屋があったよ」「駅前の弁当屋わかる?あそこと」「あのファストフード屋が入ってるビルにあったんだ」「20年前ぐらいまではあったと思うなあ」。そうして私は過去に通ったCD屋のいくつもを思い出す。高島平の十字屋、西台のアシーネ、蓮根のボイス、ときわ台の南口にあった名前忘れちゃったけど通い始めたらすぐ閉めちゃったお店。街にはレコード屋があったもんだぜ、って最後の世代になってしまったんだな。と気がつきぼうぜんとする。俺は未来になにをしてやれるというのか。

 

某日

ダウ90000を見終わったあとの大関さんとたまらず会食をしてきた。「あのネタ!な!あのネタ!」「あそこでああいうセリフが出てくるのすごいよね……」なんて言い合う。あっという間に5時間ぐらい経っていた。

 

某日

先日、声をかけられた超近所に住む年下のミュージシャンがコロナ陽性になってしまった、とツイートしていたので見舞いのメールを送る。なにか必要なものがあったら言ってね、と生鮮食料品などを届けるつもりでいたのだが、返ってきたのは「なんか漫画貸してください!」というものだった。向こうからの指定の日常の5〜10巻以外をどうしよう、と、何人かの漫画家の名前を出して、知ってるか知らないか傾向を探り、7冊ほど見繕った。ゴミ出しのついでに玄関の前に下げて部屋に戻った。