幻燈日記帳

認める・認めない

いまは最悪

7月の後半から新しく仕事に手をつける。過去に全くやったことがないわけではないけれど、いままであまりやってきたことがない作業。あまり家から出ることもなく、毎日が過ぎていくため、たいしたことが起きない。でもそれも人生なので、日記に落とし込もうとつとめる。

 

7月末、某日

とまいちゃんに誘われて上野耕路さん率いる捏造と贋作チームの朝食会に参加する。特別ゲストはなんとラッセル・メイル!!!本当か、そんな催し本当にあるのか、と半信半疑で参加すると本当に捏造と贋作チームとラッセルがコーヒーを囲んでいた。序盤は英語力の無さからニコニコと佇んでいるだけだったのだけど、後半は勇気を出して「ハリウッド・ボウルまで観に行ったんですよ!素晴らしい体験でした」とか伝えることもできたし、サインもいただけた。”Thanks For To Coming The Hollywood Bowl!”と書いてもらえたし一生の宝物がひとつまた増えた。ラッセルと別れて、捏造と贋作チームでハンバーガーを囲んでいろんな話を伺う。当時のニューウェーヴのシーンだったり、上野さんが聴いてきた音楽の話を聴いて嬉しくなっちゃった。

夜はNICE POP RADIOの収録で松永さんと音楽の話ができて、より最高の一日になった。

 

8月某日

健康に想いを巡らせながらネットサーフィンをしていた。Hi-Fi Record Storeの新入荷は見ると毒(この世に素晴らしい音楽が溢れすぎていて、それを手にいれるだけの稼ぎがないという事実を突きつけられる)なのでなるべくみないようにしてきたのだが、やっぱり見ると楽しい。新入荷にトッドのセカンドがあがっていて、異常な俺はアメリカのレコードサファリで買ったトッド・ラングレンのセカンドに針を下ろす。大学生の頃に聴いてから大好きな1枚で、学生の頃に買ったCD、ちょっと前に大阪で買った日本盤のLP、そして今回のオリジナル盤という流れ。日本盤のLPについていた中川五郎さんの翻訳した訳詩を読む。「Bleeding」に「いまは最悪」という節があり、心がぐっと近づいていくのを感じた。

 

Bleeding - 2015 Remaster - song and lyrics by Todd Rundgren | Spotify

 

某日

ときどき思い出してはあの時の自分は間違っていた、と思うべきなのか、いやそうではない、とあの時の自分に声をかけるべきなのか、だとしたらどうやって?と考えを巡らせていることがある。10年ぐらい前だ。コミティアに参加した時、「私も音楽やっているんです。よかったら聴いてください。スカートすごく好きで、YouTubeでいつも聴いています」と言われて、話しかけてくれた人をちょっとだけ冷たく「あ〜そうですか〜あざ〜す」って言ってしまったことだ。なんなら当時、Twitterでもう〜んみたいなことも書いた。当時の私はコミティアという場において、創作に対価を払わないのが気に入らなかったのだろう。どっちにしろ私はそのバンドのメンバーの一人からブロックを喰らうに至っている。私はどうしたらよかったのだろうか。

 

某日

18000字あるアメリカ紀行から切り出して整えたライヴレポートが公開されています。日記でありながら、どこかにライヴレポとか書けないかな、って思っていたから中間みたいな感じになっていますが、この日記を読んでいるみなさんには是非読んでいただきたい。

スパークス&ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツLA公演レポート | TURN

 

某日

岩本ナオさんの「マロニエ王国の七人の騎士」のアクスタリリースの知らせをツイッターで見てその素晴らしさについオーダーしてしまった。おれは今まで岩本作品の登場人物で一番好きなのはライララさんだったけど、今はコレットさんが好きで、あまりにも素敵すぎるそのアクスタを組み立てることもできず、改めて読み返している。6巻172ページの麺すすってるコレットさんかわいすぎる。

 

ブルームアベニュー - 小学館少女まんが誌公式通販サイト

 

なんでもない毎日を日記として記録するのが好きだったはずだったのだが、昔のようにはいかないらしい。私は歳を取った。アーティストは27歳、30歳、33歳と社会的な折り合いがつかなくなるから気をつけなければならない、と自分に言い聞かせて、33歳まで頑張ろう、そうしたらまた開ける何かがある、と生きてきたが、33歳を超えると毎日は毎日なのだ。